中居正広氏をめぐる問題で、フジテレビ内の女性アナウンサーが大物芸能人や有力者の接待要因になっていたのではないかと週刊誌やSNSで疑惑の目が向けられています。
自社の社員が接待や飲み会でハラスメント行為を受け、報告がなされた時に曖昧な対応をすると、法的にも処罰される可能性があります。また、適切な対応をしなかった場合、今回のフジテレビのように、メディアやSNSに情報が流れ企業全体が社会的に大打撃を受けることになります。
今回は社員が強制的に接待要因とされた時、またハラスメント行為を受けた時に十分な対応をしないと企業にとってどんな未来が待っているのか、そして備えるためにはどうしたらいいのか簡単に解説します。
飲み会の参加指示はパワハラ?
接待や飲み会が企画された時に、自社社員を強制的に参加させるのはパワハラに該当する可能性があります。一部週刊誌やSNSによるとフジテレビ元編成幹部が、自社の女性アナウンサーに対して飲み会に来るように業務命令と受け取られるような指示を出していた様子がうかがえます。
厚生労働省の資料によるとパワーハラスメントの概念として、職場内で立場が上位の者が部下に、業務の適正な範囲を超えて身体的、精神的苦痛を与えるような行為のことを指します。
今回、フジテレビ元編成幹部が女性アナウンサーに行った行為が事実だとすると、パワーハラスメントにあたる可能性が大いにあります。また、こういった飲み会に参加しないと番組に出さない、異動させる、「干す」などという見えない圧力があった場合、女性アナウンサーは断るという行動をとり難くなります。
(引用:パワーハラスメントの定義について平成30年10月17日
雇用環境・均等局https://www.mhlw.go.jp/content/11909500/000366276.pdf)
企業内でパワハラやセクハラの事実が発覚した時、加害者だけでなく被害者が務める企業にも責任が発生する可能性があります。
パワハラ防止法に罰則は現時点ではありません。しかし、厚生労働省から指導や勧告を受ける可能性はあり、その勧告に従わなかった場合にはその旨が公表される可能性があります。また、パワハラやセクハラをした加害者だけではなく企業側にも損害賠償責任を負う可能性があります。
(参考:Authense Professional lnsight https://www.authense.jp/professionalinsights/bt/harassment/12/)
被害者を生まないためには

今回の騒動では被害女性が会社の上司へ訴えたにもかかわらず、企業がもみ消したとも思われるような対処をしました。その後の社長による記者会見でも、ステークホルダーを納得させることができず、スポンサー企業が離れ、責任を取るような形で社長が退任されました。
企業には従業員を守るために「安全配慮義務」があります。
パワハラ、セクハラを勤務先に訴えても対応をしなかった場合、配慮義務違反となる可能性が高いです。
労働契約法第5条には、「使用者は労働契約に伴い、労働者が、その生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と規定されています。これを「安全配慮義務」といいます。
安全配慮義務を違反したら?
「安全配慮義務」を違反しても現時点で「労働契約法」による罰則はありません。
ただし、罰則がないからと言って従業員に適切な対応をしないと、今回のフジテレビのようにハラスメントや内部告発などが週刊誌やSNSで拡散され、世界各国のニュースなどで大々的に報道され、企業イメージを大きく損なう、という可能性があります。
フジテレビはステークホルダーに配慮しなかったため、スポンサーが離れ25年3月期の最終利益は73.6%減、通期のテレビCM収入は233億円減になる見込みとなり、大ダメージを受けています。
フジテレビのような事態を防ぐために従業員が職場で安全・安心して働くことができるように配慮することがセクハラ、パワハラを未然に防ぐための対策に繋がります。

(参考:読売新聞オンラインhttps://www.yomiuri.co.jp/culture/tv/20250205-OYT1T50094/)
窓口があるだけではだめ
フジテレビにはコンプライアンス相談窓口が設置され、企業危機リスク管理が整っている体制でした。しかし、社長をはじめとする上層部全体が、コンプライアンス相談窓口を無視し独自の判断で対応したため被害が拡大した可能性があります。
特に社長をはじめ上層部には「経営者目線のコンプライアンス研修」を行い、令和時代の価値観にシフトする必要があります。
そして、ただ窓口があるだけではもみ消されてしまう恐れがあります。「外部の相談窓口で調査結果を把握し相談者に報告するまで」を行わない限り、コンプライアンス相談窓口は機能していないものとなります。
外部相談窓口は、調査結果報告まで行うところを選ぶといいね!
日本公益通報サービス株式会社は相談者へ結果報告まで行います。
公平中立な立場で企業様と相談者の橋渡しを行います。
