元SMAPの中居正広さんと女性との間に起こったトラブルでフジテレビの社員が関与していたことが週刊誌に掲載され大きな問題となっています。一連の問題を受け大株主の米ファンドから指摘を受け、フジテレビは第三者委員会を設置。また、今回の問題を受け明治安田生命、トヨタ自動車などの大手スポンサー中心に75社以上がコマーシャルを差し替えています。
フジテレビは企業としての危機管理、企業リスク管理、コンプライアンス相談窓口すべてが甘かったと言わざるをえません。この問題から、コンプライアンス相談窓口の在り方についてご説明いたします。
中居さんとフジテレビをめぐる問題の経緯
中居さんをめぐる問題の発端は昨年の12月に、女性との間に起こった問題を高額な示談金で解決していたと週刊誌に掲載されたことから、中居さんのレギュラー番組降板や終了が相次いで起こりました。
またこの問題に対してフジテレビの社員が関わっており、かねてからフジテレビの社員がタレントや権力者に対して自社の女性社員を接待要因として半ば強制的にお酒の席に呼ぶなどの行為があったとの憶測がSNS上で拡散されました。

(参考:Yahooニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/491ea96bb6372006b06cfcc2824e005bb5afaa8d)
(参考:中日スポーツhttps://news.yahoo.co.jp/articles/81ec41e4aac4e5569d10dba73bbbe6f3ffb1e443)
今回の騒動で、中居正広さんは「私、中居正広は本日をもって芸能活動を引退いたします。これで、あらゆる責任を果たしたとは全く思っておりません。今後も、様々な問題に対して真摯に向き合い、誠意をもって対応して参ります。全責任は私個人にあります。改めて、相手さまに対して心より謝罪申し上げます」などと公式ファンクラブサイトで公表し37年にわたる芸能生活の引退を表明しました。
中居正広さんはアイドルグループSMAPとしてデビューし、国民的スターになりました。東日本大震災をはじめ各地で起こった震災時には炊き出しや多額の寄付を行い紺綬褒章飾版を受賞をされるという功績があります。
今回の騒動ではフジテレビ社員が確実に関与していると現時点では公表されておらず、中居さん一人が全責任を負うような内容の引退表明となりました。
企業危機管理と企業リスク管理
フジテレビは一連の騒動から企業危機管理とリスク管理が不安定だったと思われます。
企業危機管理とは、「問題が発生した後の危機対応」について事前に計画を立てておき、万が一問題が発生した後に、速やかに計画を実行していきます。企業リスク管理では、「想定されている危機を防止する」に重点を置いており、可能性があるリスクに対して予防策を講じておくことを指します。
今回の問題は2023年に発生しており一部記事では被害女性は社内の上司に相談したとも報じられています。フジテレビHPによるとハラスメントに関する「社内相談窓口」と「社外相談窓口」が設置され会社の企業リスク管理として予防策がとられていたはずですが、正常に機能していたかどうかは疑問が残ります。
そして今回、企業危機管理である「問題が発生した後の対応」として、
①週刊誌で問題が発覚するまで時間があったにもかかわらず組織としての対応が不明なこと
②発覚後も自社社員は無関係であると早々にHPで発表したこと
③大手TV局である港社長の会見に動画撮影禁止などの規制を敷いたことなど、
自社を守ろうとする隠蔽体質が露呈するような対応が一因となり多くのステークホルダーが離れていく結果となりました。特に②の自社社員が無関係であると発表したことにより、今後の第三者委員会の聞き取り調査で関与していた社員が会社の方針に忖度してしまう可能性があり、問題であったと思われます。
企業危機管理対応の流れ

コンプライアンス相談窓口が機能するには
今回の問題は、被害女性が相談窓口に通報したかどうかは不明ですが、結果的に週刊誌が情報を得てその後の会社対応によりスポンサーが離れていく大問題となりました。
ハラスメント被害にあった場合、社内相談窓口だと個人が特定されてしまったり2重に苦しい思いをするかもしれないと思い相談を控える方が多いです。社外の相談窓口を設置し、相談対応者もカウンセラーの有資格者であった場合、相談者の気持ちの負担はずいぶん軽くなることでしょう。そして、社外の相談窓口が、相談者の要望や調査の結果を把握し、要望に沿って会社側と相談者の橋渡しができる環境を整えるまでが、企業リスク管理と言えます。
また、フジテレビのように社内の風土が女性軽視であったり隠蔽体質だった場合、問題が発覚しても適切な企業危機管理ができない可能性があります。大企業の社長であっても、ハラスメントや内部不正、公益通報に関するセミナーに参加し、意識を改革することが危機管理に繋がります。