一大スキャンダルが世界を再び騒然とさせています。今年3月、米国メジャーリーグに所属する日本人選手の専属通訳が、突然球団を解雇された事実が大々的に報じられました。この元通訳は、選手の資金を利用して違法スポーツ賭博に関与していたのではないかとの疑いが持たれており、その後の展開が注目されていました。今回、米国の捜査当局によると、選手の口座から1600万ドル(日本円にしておよそ24億5000万円)以上が不正に送金されていたことが明らかになりました。あまりにも莫大な額の不正に、球界をはじめ世の中に大きな衝撃が走っています。
どのようなスキャンダルが起こった?
3月20日(日本時間21日)、メジャーリーグの日本人選手を支えてきた専属通訳が球団を電撃解雇されたと複数の現地メディアが報じました。この通訳は、選手が日本でのプレーを行っていた当時から手厚いサポートを行ってきたことで知られています。
メジャーリーグでは、選手ファーストを心がける通訳としても有名で、マネージャー的存在でもありました。
米国の捜査当局によると、2021年9月から元通訳は違法賭博に関与するようになり、多額の借金を抱えるようになりました。専属通訳をしていた選手の口座に不正アクセスし始めたのもその頃で、ブックメーカーと呼ばれる賭け屋に対して1600万ドル(日本円にしておよそ24億5000万円)以上を送金していたことが明らかになっています。伝えられていた450万ドル(約6億8000万円)の何倍もの額が盗まれていたという驚きを、メディアはセンセーショナルに報じています。
当初の取材に対して元通訳は、「ギャンブルで借金があり、返済の助けを依頼していた。選手がパソコンで複数回に分けて送金してくれた」と説明していましたが、翌日に撤回する場面がありました。事実、選手自身が事態を把握したのは3月20日の韓国・ソウルでのMLB開幕戦の後であり、代理人によって「巨額の窃盗被害を受けた」として捜査当局に捜査の依頼がされていました。
元通訳はギャンブルでの多額の負債を抱え込むようになると、選手の銀行口座の連絡先が自分と紐づくように勝手に変更していたとみられています。それにより選手に取引の通知が届くことはありませんでした。さらに、選手本人だと偽って銀行に電話をかけ、選手の口座から送金しようとしていたとも報じられています。
捜査当局によると、この問題について捜査を進めた結果、選手の関与はなかったと判断されているとのことです。7年にもわたりプライベートでも親しかった立場を利用しての犯行は、元通訳が築いてきたすべてを自ら崩壊させることになりました。
(参考:NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20240321/k10014397571000.html)
スポーツ賭博とは?
アメリカでは2018年から、スポーツ賭博は州の判断で合法とすることができ、現在40の州で認められています。しかし、選手と元通訳が拠点を置いているカリフォルニアでは違法として扱われています。
合法とされている州では、ブックメーカー(賭け屋)はライセンス制であり、賭けられる金額もそれほど大きくないと言われています。今回のような借金の膨れ上がり方は、合法のブックメーカーであればありえないことです。元通訳が賭けていたのは違法のブックメーカーだったとの指摘もあり、噂されているブックメーカーは昨年の10月にFBIによる家宅捜査を受けています。
メジャーリーグでは選手とスタッフ関係者は野球への賭博は禁止されていますが、その他の競技で合法であれば賭博をすることは認められています。これらは、選手会のミーティングでルールの周知徹底がされていたとのことです。
日本では賭けスポーツを行うことは違法です。賭博は運営側だけでなく客も逮捕されます。パチンコ・競輪・競馬などは公営ギャンブルとして法的な承認を得ているので合法です。オンラインカジノにおいては、たとえ海外の事業者が合法的に運営していても、日本国内から接続して賭博を行うことは犯罪です。
賭博罪:賭博をした者は50万円以下の罰金または科料
常習賭博罪:常習として賭博をした者は3年以下の懲役
元通訳はギャンブル依存症?
20日の夜の試合後、この通訳はチームメイトに対して自らがギャンブル依存症だと告白しています。ギャンブル依存症とは、ギャンブル等にのめり込むことにより日常生活や社会生活に支障が生じている状況を言います。日本国内では、成人の0.8%に依存症が疑われています。ギャンブルを原因とする多重債務や貧困といった経済的問題に加えて、うつ病などを発症する健康問題、家庭内の不和などの家庭問題、虐待・自殺・犯罪などの社会的問題を生じることがあります。
♦ギャンブル依存症の特徴的な症状
・ギャンブルにのめり込む
・興奮を求めて賭け金が増えていく
・ギャンブルを減らそう、辞めようとしてもうまくいかない
・ギャンブルをしないと落ち着かない
・日常生活や社会生活に重大な問題が生じても止められない、エスカレートする
・ギャンブルのことで嘘をついたり借金したりする
依存症問題を解決するには、適切な医療や支援に繋げていかなければなりません。そのためには、本人・家族に身近な自助グループ・民間団体の支援は必要不可欠とされています。ギャンブル依存症は治療と支援により回復が十分に可能だとされています。
(参考:厚生労働省 ギャンブル依存症の理解と相談支援の視点https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000633402.pdf)
不正が起こりやすい環境とは?
人が不正行為を働くのは、動機・機会・正当化の3つの要素が揃っている状況だとする「不正のトライアングル理論」というものがあります。不正のトライアングルとは、米国の犯罪学者ドナルド・R・クレッシーが犯行調査に基づき、組織内部で不正に走る原因の要素を導き出したものです。
・動機 動機が生まれる原因として「ギャンブルでの借金を抱えていた。お金が早急に必要な状況にある」などがあります。
・機会 不正を働くことのできる環境のことです。甘い環境だといつでも不正を起こせる隙が生まれます。
・正当化 自分はもう少し厚遇されてもいいはずなどと犯行を正当化することです。ギャンブル依存症などで、正常な判断ができない状況での犯行もあります。
不正が起こりにくい環境を整えるためには、内部通報窓口を第三者機関に委託するという方法もあります。外部からの目が光っているという状況が犯行を抑制させることにも繋がります。
まとめ
捜査当局は、この元通訳を銀行詐欺の疑いで訴追したと明らかにしました。12日(日本時間13日)には、弁護士に伴われロサンゼルスの連邦地裁に出廷しています。地裁は釈放の条件として保釈金2万5000ドル(約380万円)を設定し、被害者である選手に一切連絡を取らないこと、オンラインを含むギャンブルをしないこと、ギャンブル依存症のプログラム治療を受けることを提示しました。来月5月9日には罪状認否が行われる予定です。しかし、元通訳が関与した違法スポーツ賭博の損失は470万ドル(約62億円)にものぼるとの新しい情報もあり、まだまだ今後の展開が注目されます。
選手にとっては、一連のスキャンダルに一区切りがついたようです。12日、本拠地ロサンゼルスのスタジアムでは、メジャーリーグ通算175本目のソロホームランを打っています。野球に集中できる環境が整ったことで、ますますの活躍が期待されるでしょう。
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