日常の生活において意見の食い違いはよく見られる光景です。仕事をする上では、相手の説を打ち負かし論破する方法が必ずしも正しいとは限りません。正解はひとつではなく複数存在する場合もあります。また、自分が正しいと思っていることも世代やバックグラウンドによっては、その常識も変化してくるものです。
ロジカルハラスメント(ロジハラ)とは?
最近はビジネスシーンで”ロジカル”という言葉をよく耳にします。ロジカルとは理論的である様子や筋が通っていることを意味します。一見ハラスメントとは縁のない言葉のようですが、仕事に完璧さを求めるあまり正論を押し付け、相手の自信を奪う行為をロジカルハラスメント(ロジハラ)と表現します。
ロジハラはパワハラの一種です。指導の仕方に問題があるために相手が萎縮し、心理的に追い込まれることです。
ロジハラはなぜ増加しているの?
ロジハラを起こす人の特徴として、仕事に完璧さを求める傾向が強く自分は他者より優れているという思いがあります。

近年、リモートでの仕事も増え直接対面をしなくても仕事ができる時代になりました。こういった背景もあり相手の話を最後まで聞くというプロセスが抜け落ちている可能性があります。リモートワークによるコミュニケーション能力の低下もロジハラの要因だと考えられます。良好な関係が築けていないと優越な立場の意見が優先されがちです。
ロジハラの問題点とは?
・相手をメンタル的に追い込んでしまう
自分の意見が否定され続ける状態は、体にさまざまな影響を及ぼします。真面目な従業員ほど思い詰め、自分が悪いと自己否定しがちです。メンタル面が不調になると些細なことでもミスが多くなり、本来の能力が発揮できなくなります。ロジハラによる人間関係の悪化は、特にチームワークでの業務に支障をきたし生産性を下げてしまいます。被害者が休職や退職に追い込まれるケースもあります。
業務上の確認不足やミスコミュニケーションもロジハラに繋がるのよね。
ロジハラを起こさないためには?
仕事をしていく上で“正論”は必要です。正論がなければ重大な過失を見過ごし、後の企業の存続にさえかかわることもあります。
正論を主張すること自体が悪いのではなく、相手に対する伝え方の問題なのです。声のトーンや顔の表情で受ける印象は変わってきます。優越的な力を見せつけ相手をひるませる方法で論破するのではなく、相手の意見にも耳を傾け共感できる部分を探すことが大切です。最後まで話を聞く姿勢があれば新しい事実に気づく可能性もあり、ロジハラを防ぐことができます。さらに、ロジハラはパワハラの一種だとの認識も確認しておきましょう。
・設置されている窓口に相談する
2022年4月からは中小企業でもパワハラ防止法が適応され、ハラスメント対策へ整備が義務化になっています。設置されている相談窓口に助けを求めることも解決方法のひとつです。
正論ばかりを突きつける上司は無意識にロジハラを起こしていることが多いものです。コンプライアンス担当者を通じて、部下の気持ちや状況を推し量れる機会を設ければ解決の糸口を見つけられる可能性があります。
・セミナーに参加しハラスメントの意識を高める
従業員が本来の能力を発揮できない状況は、組織としての成長の妨げにもなります。ロジハラは明確な判断基準が分かりづらいハラスメントです。セミナーでは職場におけるハラスメントの基礎知識を学び、専門家による質疑応答の場も設けられます。
セミナー受講により、ハラスメントの正確な知識を高めることは組織にとってプラスの作用に働きます。さらに企業が正しい知識を持つことにより、速やかに問題解決に向かうケースも多くあります。

まとめ
仕事を円滑に進めるために意見の交換は非常に重要な事です。しかし、正論を押し付けてしまうとロジカルハラスメントに該当します。自分が正しいと主張し相手を追い詰める方法は、部下や立場の弱い人にとっては特に不快に感じるものです。
会社は論破をする場所ではなく、仕事の成果を上げる場所です。相手の意見も尊重しながら正解を導き出しましょう。