一連の騒動で揺れているフジテレビ。
「楽しくなければテレビじゃない!」のキャッチコピーを掲げ、かつては飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
先月30日、フジテレビの親会社である「フジ・メディア・ホールディングス」は、2025年3月期の連結最終損益が、これまでの見通しであった98億円の黒字から201億円の赤字に転落すると発表。 固定資産の減損損失や、繰延税金資産を取り崩したことを業績悪化の理由としてあげています。最終赤字となるのは「フジ・メディア・ホールディングス」が認定放送持株会社に移行した2008年以降、初めてのことです。
フジテレビ問題とは?今までの経緯
フジテレビの窮地は、元タレント中居正広氏による女性アナウンサーへの性暴力に端を発します。一連のトラブルをめぐっては、今年3月末に公表された第三者委員会の調査報告書で「業務の延長線上での性暴力」と認定。社内のコンプライアンス体制が十分に機能していないなど、対応の不手際も指摘されました。また報告書では、セクハラを中心とするハラスメントに寛容な企業体質があったと、経営陣の責任を厳しく追及しています。

参考:NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20250331/k10014765401000.html
中居氏の問題が大きく影響か
セクハラは繰り返されます。
行為者は、セクハラを「コミュニケーションの一環」として捉えており、不適切な言動だとは認識していないことが多いのです。相手が「NO」と言えない弱い立場であることから、職場での地位や権力を利用して繰り返されます。さらに深刻なのは、被害者が負った心の傷への理解に乏しいということです。セクハラ行為がまわりに与える影響の大きさを自覚していません。
フジテレビをめぐっては、元タレント中居正広氏の性暴力問題で、多くのスポンサーが撤退。相次ぐCMの取り止めで、一時は大量にACジャパンの公共広告に差し替えられました。フジテレビによると、今月のスポンサー企業はおよそ90社とのことですが、前年度の同じ月は400社以上だったということから依然として窮地に立たされています。
コンプライアンス体制の整備が必要
セクハラ問題は企業危機管理において最も重大なリスクのひとつです。
コンプライアンス体制が十分に整えられていないと、常に危機にさらされることになります。セクハラが起こった際は、被害者へのケアが最優先となりスピードが求められます。適切な対応を怠ると、企業の社会的イメージやブランド価値が損なわれ、経営にも深刻なダメージを与えることになります。さらに、職場環境の悪化で人材の流出も予測されるため、リスクの発生を事前に防ぐ予防措置(リスクマネジメント)とともに、発覚した際の対策(危機管理=クライシスマネジメント)を具体的に講じておきましょう。
1:外部相談窓口の設置
企業の危機管理において最も重要な対策のひとつとして、外部相談窓口の設置が有効です。
セクハラにはセンシティブな内容を含むため、被害者が安心して相談できる環境を提供しなければなりません。社内の窓口だけでは対応が困難なケースが多く、個人情報の取り扱いにも細心の注意が必要となります。被害者を保護するという観点からも、ハラスメント対策に詳しい専門家の知識と経験は不可欠です。外部相談窓口の設置は、企業としての信頼性を高め、再発防止にも貢献します。

2:就業規則でセクハラについて規定
ルールを設けることで、セクハラが起きにくい職場環境を整えます。行為者へは厳正に対処する方針を明確に示し、就業規則に規定します。また、被害者や相談者に対して不利益な取り扱いをすることがないよう明記。経営層をはじめ、すべての労働者に周知し共有します。
3:研修の実施
専門家による研修を通じて、従業員のセクハラに対する意識改革が期待できます。未然に防止するためのスキルを獲得することにもつながり、快適な職場環境が構築されます。質の高い研修を継続的に実施することで効果を発揮します。
まとめ
フジテレビの危機は、中居氏による一連のトラブルに端を発しましたが、長年の組織風土である「セクハラに寛容な企業体質」が招いた結果によるものです。
コンプライアンス体制に不備があると、問題が初期段階で発見されず悪化するリスクが高まります。対応の遅れなどから社会的非難を受けることになり、経営に大きな影響を与えることになります。
コンプライアンス体制の整備は、企業の存続に大きく関わります。