コラム

内部通報の具体的な事例は?④取引会社からの不正なバックマージン受領

内部通報とは

内部通報とは、組織や企業内で行われる不正行為、法律違反などの情報を、組織内の通報窓口、あるいは社外の通報相談窓口(日本公益通報サービス株式会社)に報告することをいいます。

通報者は自身が所属する組織の一員であり、問題行為を発見した際はその情報を提供し、社内の不利益を防ぐことになります。

内部通報の内容は多岐にわたります。例えばパワハラ・セクハラといった各種ハラスメント(※1)や、人事制度への不満といった雇用関係、不正会計や汚職・セキュリティ違反といった内部不正や法令違反などがあげられます。

(※1)「ハラスメント」とは、他人に対して嫌がらせや迷惑をかける行為や言動のことを指します。職場のハラスメントには主に、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、 妊娠・出産に関するハラスメント(マタハラ)があり、3大ハラスメントとも呼ばれています。

通報事例 :取引会社からの不正なバックマージン受領

ここでは、■■建築会社の通報窓口に社員の方から寄せられた、取引会社からの不正なバックマージン(※2)受領という通報事例をご紹介します。

(※2)バックマージンとはメーカーや問屋が販売した商品価格をさかのぼって、利益の一部を値引きの形で払い戻すリベートのこと。

ヒアリングを実施

〇〇支店のA支店長が、急に羽振りが良くなったのが気になっています。

具体的には、どのようなことがあったのか、話していただけますか?

はい。
急に車を高級車に乗り換えたり、高級時計を購入したりと、高額な買い物をしていることを、とても自慢げに話していました。そして、勤務後には、キャバクラ通いも始めたようなのです。

ヒアリング後の対応

内部不正が報告された場合、速やかに社内調査をする必要があります。社内調査をする際に気を付けなければならないことは、調査対象者に内密に行うことです。対象者に分かってしまうと証拠品が廃棄される恐れがあり、追及ができなくなる可能性があります。

また、社内調査は内部監査部門や、必要に応じて人事部門や経理部門とも連携して、多角的にデータを収集し、裏付けの証拠を押さえていくことも重要です。

今回のケースでは、社内調査の結果、以下のことが判明したそうです。

A支店長の動向について調査を行ったところ、以下のような支払の流れがあったことが分かりました。

先日、A支店長の統括する○○支店とは別の支店(△△支店)に、急な仕事が入り作業員が不足し対応に困っていたところ、A支店長から知り合いの会社を紹介され、△△支店では、その会社に仕事を依頼しました。

その後、A支店長の知人会社からは、該当する仕事の請求書が○○支店に送られ、A支店長のはその請求書を△△支店に送り、△△支店からA支店長の知人会社に支払いが行われました。

請求書を精査したところ、A支店長の知人会社は通常の料金に上乗せをして請求をし、A支店長へ上乗せした分をバックしていたことが判明しました。

さらに、このことをきっかけに、A支店長に関連する業務内容を過去をさかのぼって精査したところ、会社が未把握の親族会社との取引だったことが判明したそうです。結果的にA支店長は、親族会社から報酬をもらっており、総額で約3憶円を受領していたことが分かりました。

調査後の対応

今回のケースでは社内調査の結果、総額3億円の不正なバックマージン受領が発覚し、その後A支店長は懲戒解雇となり、さらに刑事事件へと発展したそうです。

不正や法令違反を行った人のその後は状況によって異なります。以下に一般的なケースを3つ示します。

1.内部調査後処分:不正が発覚し内部調査を行い、調査の結果不正行為が確認されたら、組織は事象に応じて、警告、停職、解雇などの処置が行われます。

2.法的手続き:不正行為が法的な問題や犯罪行為に関係している場合は、警察や関連する法執行機関に通報することがあります。その結果犯罪捜査や訴訟の提起などが行われます。法的な措置は不正行為の内容や影響によって異なります。

3.社内再教育や監視:不正行為が軽度であり、対象者が改善の意思を示す場合は会社は再教育や監視の措置をとることがあります。これにより、対象者は社内で業務を行うことができますが、信頼回復までに時間がかかるでしょう。

会社としての再発防止策

社内不正の防止に向けて以下のポイントを考慮することが重要です。


1.コンプライアンスポリシーの策定:まず、社内全体のコンプライアンスポリシー(※2)を策定しましょう。このポリシーは、不正行為や倫理的な違反を禁止するルールやガイドラインを明確にし社員へ示し普及させることです。

2.内部統制の整備:内部統制のフレームワーク(※3)を構築し、不正行為の監視と防止を行いましょう。社内の役割と責任、報告ライン、監査手続きなどを明確に定め、社内の透明性と責任追及の仕組みを整えます。

3.匿名報告制度の設立:社内の不正行為を報告するための匿名報告制度を設立しましょう。匿名で通報ができる社外の通報窓口(日本公益通報サービス株式会社)を設置するなど、従業員が不正を報告するための安全な手段を提供することで報復や差別を心配することなく不正を告発できる環境を整えます。


これらのポイントを総合的に取り組むことによって、社内不正の防止と教育に対する取り組みが強化されます。

(※2)コンプライアンスポリシーは、組織や企業が法律や規制に遵守するために策定する方針や規則のことです。

(※)フレームワークとはビジネスにおけるフレームワークとは、共通して用いることが出来る考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などの枠組みのことを指します。


通報者が守られるために


通報者が守られるために令和2年より公益通報者保護法が改正されました。この法の施行で「通報者の『不利益な取り扱いの禁止』」となり、通報者の身の安全が守られることとなりました。

その他にも公益通報保護法の改正により事業者内の「通報窓口の設置」、事業者の内部通報担当者に守秘義務も加えられています。

法改正により従業員300人を超える事業者には内部通報に適切の対応するための必要な体制の整備が義務付けられるようになりました。

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

まとめ

社内不正は会社にとって深刻な影響を与えます。企業にとって経済的な損失が生じるだけでなく、信頼性や財務の健全性にも影響を及ぼす可能性があります。

また、不正が明るみに出ると会社の評判が損なわれる恐れがあります。顧客や取引先、株主、社会全体からの信頼を失うことで、ビジネスにおいて重大な影響を及ぼすことがあります。

社外通報窓口の必要性

企業内の不正行為が発覚し、気軽に相談できる信頼性のある同僚や上司が不在の場合、組織の風通しに問題が生じています。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のない企業文化を築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

従業員が安心して働ける環境を確保するためには内部通報窓口を外部委託し、内部通報制度充実させることが不可欠です。組織の声を聴き、不正行為の予防と解決に向けて協力し、より健全な企業文化を作っていきましょう。

日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、

傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。

社外の第三者機関(日本公益通報サービス株式会社)を窓口として通報者の話を聞くことで、不正の早期発見、早期対応につながり企業の信頼と財産を守ることにつながります。

また日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)ですと会社へ匿名で通報することも可能になるため、通報者がより安心して相談できる環境となります。

日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援します。
また、通報窓口が十分なサポートとバックアップを致します。

日本公益通報サービス株式会社とは

内部通報窓口を代行し、不正、不備に対する真偽の確認と対策立案を支援します。

お悩み事の早期解決のために、通報窓口が万全のサポート体制をもって企業をバックアップします。

日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: コンプライアンス違反(不正・ハラスメントを含む)の早期発見、
      リスクの迅速な検知・問題解決を目指します。

企業サイト: https://jwbs.co.jp/

関連記事