コラム

内部通報の具体的な事例は?③職場内での盗難被害

内部通報とは

内部通報とは、組織や企業内で行われる不正行為、法律違反などの情報を、組織内の通報窓口、あるいは社外の通報相談窓口(日本公益通報サービス株式会社)に報告することをいいます。

通報者は自身が所属する組織の一員であり、問題行為を発見した際はその情報を提供し、社内の不利益を防ぐことになります。

内部通報の内容は多岐にわたります。例えばパワハラ・セクハラといった各種ハラスメント(※1)や、人事制度への不満といった雇用関係、不正会計や汚職・セキュリティ違反といった内部不正や法令違反などがあげられます。

(※1)ハラスメントとは、他人に対して嫌がらせや迷惑をかける行為や言動のことを指します。職場のハラスメントには主に、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、 妊娠・出産に関するハラスメント(マタハラ)があり、3大ハラスメントとも呼ばれています。

通報事例 :職場内での盗難被害

ここでは、〇〇商事の通報窓口に社員の方から寄せられた、職場内での盗難被害という通報事例をご紹介します。

会社内での盗難被害のことで相談があります。
事務所の机の中から、現金やイヤホンが盗まれました。
同僚のBさんもクオカードを盗まれたそうです

社内での法令違反が疑われる場合は、速やかに「社内調査」をする必要があります。不祥事にまつわる「事実調査」を内密に行い、証拠をそろえます。

その結果に基づいて適切な対応や経営判断を行えば、不祥事に伴う悪影響を最小限にとどめることもできるでしょう。

社内調査を行わない、あるいは行ったとしても適当で何事もなかったように処理してしまうと、企業にとっても社員にとっても不利益となり、企業価値を損なう恐れがあります。

通報者への詳しいヒアリング

事務所の机の引き出しに入れていた小銭が、時々なくなります。スマホで使用しているイヤホンも、机の中に入れていたところなくなりました。別の場所に置き忘れていないか、何度も確認したので、間違いありません。
同僚のBさんも、机の中に入れておいたはずのクオカードがなくなったといっています。

わかりました。Bさんにもヒアリングしてみます。

その後、Bさんにもヒアリングをしたところ、クオカード以外にも、やはり机の中からカップラーメンがなくなっていたことが判明したそうです。

ヒアリング後の対応

通報者とBさんのヒアリングを受けて、社内調査をスタートし、それぞれ物がなくなった時期に開きがあったことから、通報者及び所属長に承諾を得た上で、隠し防犯カメラを設置したところ、約一週間後に、早朝に事務所に出入りする清掃員が引き出しを開け、現金を盗むところを確認したそうです。

その後、該当する清掃員へのヒアリングを実施し、自供を得ました。その後、この清掃員は弁済したのち、退職となりました。

不正や法令違反を行った人のその後は状況によって異なります。以下に一般的なケースを3つ示します。

  • 1.内部調査後処分:不正が発覚し内部調査を行い、調査の結果不正行為が確認されたら、組織は事象に応じて、警告、停職、解雇などの処置が行われます。
  • 2.法的手続き:不正行為が法的な問題や犯罪行為に関係している場合は、警察や関連する法執行機関に通報することがあります。その結果犯罪捜査や訴訟の提起などが行われます。法的な措置は不正行為の内容や影響によって異なります。
  • 3.社内再教育や監視:不正行為が軽度であり、対象者が改善の意思を示す場合は会社は再教育や監視の措置をとることがあります。これにより、対象者は社内で業務を行うことができますが、信頼回復までに時間がかかるでしょう。

会社としての再発防止策

会社は、内部通報をきっかけに盗難被害の解決に至った今回の事例を社内に周知するとともに、貴重品などの社内での保管方法についてルールをつくって通達しました。

職場で盗難にあった場合、基本的に貴重品の管理は自己責任となっているため、会社に責任を追及することは難しくなります。しかしながら、職場での盗難は、珍しいことではありません。現金や食べ物、アクセサリーと、さまざまな被害が報告されています。

盗難被害額も、少額のものから高額のものまでさまざまですが、職場に高価なものや多額のお金を置いているほど被害額は大きくなりますので、職場には高価なものは持ってこないことが一番です。

もしも職場で盗難にあってしまった場合、一人で解決するのは難しいことが予想されます。仕事中に荷物をずっと見張っておくわけにもいかず、犯人を捜すにしても自分一人で探すのは難しいでしょう。

会社には社内の人間だけでなく社外の人間も出入りしますから、不特定多数の中から犯人を捜すのは至難の業です。確かな証拠もなく同僚に疑いをかけてしまえば人間関係が悪くなり、仕事に支障をきたしてしまうことも考えられます。また、犯人ではない人を犯人と決めつけて詰問すれば、名誉毀損で訴えられてしまう可能性もあります。

このように、一人で盗難問題を解決するのは非常に難しく、リスクも高いことが予想されますので、職場で盗難被害にあった場合は一人で悩まず、今回のケースのように相談窓口を利用することがおすすめです。

また、会社側がとるべき対策としては、今回のように防犯カメラの設置や貴重品などの保管方法のルールづくり、さらには個人用ロッカーの設置など、盗難が再発しないような対策が望まれます。設置された防犯カメラに犯行の現場が記録されていれば、非常に有力な証拠にもなります。


通報者が守られるために

通報者が守られるために令和2年より公益通報者保護法が改正されました。この法の施行で「通報者の『不利益な取り扱いの禁止』」となり、通報者の身の安全が守られることとなりました。

その他にも公益通報保護法の改正により事業者内の「通報窓口の設置」、事業者の内部通報担当者に守秘義務も加えられています。

法改正により従業員300人を超える事業者には内部通報に適切の対応するための必要な体制の整備が義務付けられるようになりました。

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

まとめ

社内での盗難等のトラブルは、被害にあった社員だけでなく職場環境全体に悪影響を及ぼします。また、そのようなトラブルに対して適切に対応せず曖昧にしていた場合、お互いが疑心暗鬼となり職場内の信頼関係が損なわれる等、社内雰囲気の悪化が生産性の低下につながる恐れもあります。

社外通報窓口の必要性

企業内の不正行為が発覚し、気軽に相談できる信頼性のある同僚や上司が不在の場合、組織の風通しに問題が生じています。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のない企業文化を築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

従業員が安心して働ける環境を確保するためには内部通報窓口を外部委託し、内部通報制度充実させることが不可欠です。組織の声を聴き、不正行為の予防と解決に向けて協力し、より健全な企業文化を作っていきましょう。

日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、

傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。



日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援します。
また、通報窓口が十分なサポートとバックアップを致します。

日本公益通報サービス株式会社とは

内部通報窓口を代行し、不正、不備に対する真偽の確認と対策立案を支援します。

お悩み事の早期解決のために、通報窓口が万全のサポート体制をもって企業をバックアップします。

日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: コンプライアンス違反(不正・ハラスメントを含む)の早期発見、
      リスクの迅速な検知・問題解決を目指します。

企業サイト: https://jwbs.co.jp/

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