中学校の部活動を地域や民間にゆだねられる「地域移行」が進められている中、小学校女子バスケットボールクラブで起きた元校長の男性による強制わいせつ事件で有罪判決が下されました。
この事件は当時11歳~12歳の女子児童に対し、指導者であった元校長が強制わいせつを起こした事件です。この元校長は小学校で校長を務め、退職後に市の委託でスポーツ推進委員会や人権教育指導員などを歴任。輝かしいキャリアの裏で、30年前から長期にわたり犯行を行っていた可能性もあるようです。
(参考:毎日新聞https://news.yahoo.co.jp/articles/73250ab22dbbd1bab81e3680139c51f3e50a5bd8)
なぜ表面化しなかった?
この元校長は19歳からバスケットボールの指導を行っており、市バスケットボール協会理事長に50年近く就く経歴をもち、地域スポーツの権力者でした。被害者もまだ小学生で犯行を指導の一環と思わされていた節があります。小学校高学年の女子児童とクラブの指導者は明確な力関係があり、何も理解できないまま怖くて訴えることができなかったことも想像できます。
公判では被害女児が小学校の担任に被害を訴え、担任は警察へ相談することを進め、保護者にも報告。校長にも報告したといいます。しかし、被害報告を受けた校長は市教育委員会へ報告せず、新たな被害者を生むことになりました。
すぐに教育委員会に報告しなかったことが新たな被害者を生み出したのね。
別の小学校に通う被害児童の保護者が校長へ連絡し、警察へ相談。校長が市教育委員会へ報告し、市教育委員会幹部は元校長に公職での活動を自粛させました。しかし、クラブ指導の活動の自粛を求めても、加害者である元校長は聞き入れず、継続して指導に当たったとのことです。
指導者の地域移行とは
加害者である元校長はなぜ指導の自粛を聞き入れなかったのでしょうか。
現在、部活動の地域移行が国によって進められており、指導者は市教育委員会が関与できない立場になっていたことも理由の一つだと考えます。
❝文部科学省では、令和5年から令和7年までを「改革推進期間」と位置づけ、休日の部活動について、合同部活動や部活動指導員の配置により地域と連携することや、学校外の多様な地域団体が主体となる地域クラブ活動へ移行することについて、地域の実情等に応じて可能な限り早期の実現を目指すよう、各自治体に求めています。❞
(引用:スポーツ庁https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop01/list/jsa_00021.html)
学校の部活動は平日も夕方遅くまで行われており、土日も練習や大会などがあるため指導する教員の負担は多大なものとなっています。そのため、国は学校外の多様な地域団体などへ移行することを進めガイドラインも提示しています。
今回の元校長は民間人として指導していたため、市教育委員会も止める権限がなかったと、木下誠教育長(当時)が述べていました。
徐々に地域移行していくことは教員の負担を考えると当然の流れです。しかし市教育委員会の権限が及ばない指導者が増えることが保護者の不安にもつながります。
指導者のハラスメントを防ぐために
部活動の地域移行は必要なことだと思います。しかし、昔ながらの指導法(暴言、体罰、恫喝など)が正しいと思い込み、世の中が変化していることに対応できていない指導者も多くいらっしゃることでしょう。そういった、ハラスメントに該当する指導を受けた子供たちはどうなるでしょう。自分を指導してくれている顧問や、監督が行っていることは正しいと思い込み、他者へ行い、いじめ問題へ発展、社会に出て暴言や恫喝を行い社会的制裁を受けるなど、負の連鎖が生まれます。
こういったハラスメントに対する道徳や倫理感が薄い指導者が入り込まないよう、指導者に向けてハラスメントセミナーなどコンプライアンス研修を定期的に行うことが重要です。また、地域移行後の指導者を統括する各スポーツや吹奏楽などの協会や連盟がしっかりとハラスメントや暴力(性暴力を含む)指導や監督をする必要があります。
コンプライアンス研修とは
コンプライアンス研修とは、法令や規則に対する理解を深め、それらを遵守するための意識を高めることを目的として行われます。法律や規制を順守し、倫理的な行動を促進するために、適切な知識と理解を持つことが重要とされています。
ハラスメントとは、身体的、精神的に攻撃し他者へダメージを与えたり不愉快にさせることです。個人的に攻撃をされていなくても、見聞きして不快にさせることもハラスメントにあたります。具体的にはパワーハラスメント、セクシャルハラスメント、モラルハラスメントなどがあげられます。
企業ではハラスメント対策としてセミナーなどが行われていますが、今後はこういった教職員や地域指導員など子どもへ接する機会のある方々への勉強の機会が必要でしょう。
ハラスメントセミナーでは明確な判断基準が分かりづらい事柄でも具体的な事例を挙げてお伝えします。時代と共に、ハラスメントの内容も変化しています。昭和や平成の時代では問題がなかったことも現代ではハラスメントとなり不適切な指導になることが多いです。また、警察の捜査が入るような事案も気が付かず行っていることが無いようしっかりと研修することが大切です。
通常の指導は、適正な範囲内で行われていればハラスメントに該当することはありません。セミナーではハラスメントと指導の線引きに必要なポイントなど、他にも最新の事例をもとに要所を押さえた解説が盛り込まれます。
被害者のご家庭と心の傷は残ることでしょう。
教育者の性癖者は許し難い行為、性癖は麻薬より治らない犯罪行為です。
30年前と言っていますが成人になるときから性癖を繰り返してます。
私たちは公益通報を通して調査ヒアリング分析まで可能な国内唯一の企業です。
未成年者に対する暴力や性的虐待等は鬼畜行為であり、許されるものではありません。
(弊社代表コメント)
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社外通報窓口の必要性
企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。
内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。
こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。
外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。
外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。
法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。
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