コラム

カスハラと善管注意義務の関係について簡単に解説!

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企業が抱える問題の一つにカスタマーハラスメント(カスハラ)があります。カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先から従業員に対して過度な要求や暴言、理不尽なクレームを行う行為を指します。これにより、企業は従業員のメンタルヘルスや労働環境を守るために対応が必要となる一方、法的な責任問題や企業としての善管注意義務違反にも問われることがあります。

このコラムではカスタマーハラスメント(カスハラ)の定義や具体例、善管注意義務との関係、そして企業がとるべき対応策について簡単に解説します。

カスハラとは顧客が従業員や企業に対して過度な要求や不適切な言動を行うことで、従業員の労働環境に悪影響を与える行為です。従来日本企業は「顧客が常に正しい」「お客様は神様」という概念があり、顧客の理不尽な要求に従い対応する姿が一般的でした。しかし、近年はその限界が指摘され、顧客からの理不尽な要求や暴言、SNSの普及も加わり、従業員が精神的に大きなダメージを与えられるケースが増加しています。

カスハラの具体例

〇長時間拘束:商品やサービスに対する問い合わせやクレームで、必要以上に長時間電話や対面での対応を要求し、従業員の業務を妨げる行為です。

〇暴言や脅迫:顧客が従業員に対して怒鳴ったり脅したりする行為です。これは直接的に対応した従業員のメンタルに悪影響を及ぼします。

〇過度なクレーム:些細なことで何度もクレームを繰り返し、解決策を提示しても納得せず企業や従業員に不当なクレームを言い続け、従業員に対し不当な負担を強いる行為です。

以下の表は、厚生労働省が令和2年に行った調査で、全国の企業、団体に勤務する20~64歳の男女労働者のうち、過去3年間に勤務先でカスハラ行為を受けた内容の割合を示したグラフです。

近年では特に長時間にわたり同じ内容を繰り返すケースが増えていることがわかります。こういった行為は、対応する従業員を疲弊させ精神的に追い詰める可能性があります。

(引用:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000915233.pdf)

これらすべての行為は従業員のストレスや疲労を蓄積させ、結果として職場全体の士気低下や生産性の減少につながります。従業員の退職理由としてカスハラが挙げられるケースもあり、カスハラが企業全体に悪影響を与えるリスクが高まっています。

善管注意義務とは業務を委託された人が、社会通念上または客観的に見て当然要求される注意を払う義務です。

具体的には、企業が従業員に対して負う責任として、適切な労働環境の提供や、従業員が安全かつ健康に働ける条件を整える義務が含まれています。つまり、従業員が精神的、身体的に安全安心して働けるようにするため、企業は合理的な範囲での配慮や措置を講じなければならないのです。

善管注意義務に違反すると、企業は労働契約法や安全配慮義務に基づき、法的責任を負う可能性があります。具体的には従業員が厳しい労働環境によって被害を被った場合、企業はその責任を問われ、賠償責任を受けるリスクが生じます。

善管注意義務違反は法的責任を問われる可能性があります

企業が従業員に対して善管注意義務を果たす一環として、カスハラ対応をする従業員を守ることがあげられます。

カスハラを受けた従業員は過度なストレスを抱えています。うつ病や適応障害などの精神疾患を発症した場合、企業はその責任を問われることになります。企業がカスハラから従業員を守るため適切な防止策を講じていなければ、善管注意義務違反として従業員に対して賠償責任を負う可能性があります。

また、長期間にわたるクレーマーの対応などカスハラが常態化し、従業員が安心して働くことができない環境が続いた場合、企業は労働契約法に基づき法的な責任を問われることになります。

カスタマーハラスメントは従業員の安全や健康を脅かす重大なリスク要因であり、それを放置することは善管注意義務違反に該当する可能性があります。

カスハラに対処し、善管注意義務を果たすために企業は対策を講じることが必要です。ここでは対応策をいくつかご紹介します。

1,企業で解決できない問題を外部委託

企業内で対応していても解決が難しく長期化しそうな場合、外部のサービスを導入し「クレーム対応の代行をする」と契約しておくことで、従業員が安心して勤務できます。また、事前にカスハラ対応専門の外部企業にリスク管理や従業員向けの研修を行うことも、善管注意義務を守ることになります。

2、お客様相談窓口を外部委託

カスハラ対応をする従業員の精神的負荷は大きく、離職に繋がる可能性が高いです。

特にクレームは最初の温度感が一番高いことが多いです。こういったクレームの対応は、一時受付を外部の相談窓口を利用し、顧客の温度感が落ち着いた状態で社内従業員が対応することで、従業員のメンタルヘルスの安定に繋がり善管注意義務を遵守することに繋がります。

3、従業員のメンタルヘルスケア

企業は従業員のメンタルヘルスケアの充実を図る必要があります。

専門のカウンセラーや外部のメンタルヘルスを相談できる窓口を設置して、従業員員がストレスを感じた時に相談できるような整備をしておくことで、早めに従業員の心の問題を解決するサポートを提供します。また、定期的なメンタルヘルスチェックを行い、従業員の状態を把握することも有効です。

4、マニュアルの策定

マニュアルがあればクレームを受けた時、正当なクレームか悪質なクレームかを判断できる材料になります。

社内でのカスハラの判断基準を設け、周知させることが重要です。 初期対応において誠意を持って対応し、お客様の不満が沈静化すればよいのですが、何度も過度な要求をしたり、暴言暴力があればカスハラと分類しマニュアルに沿って毅然とした対応をしていくことになります。

一般的には、初期の交渉や対応で収まればカスハラにまで発展せず、クレームとして処理できます。

また、今まで社内で起こった過去3年にお客様から受けた酷いクレームを情報収集し、そして集めた情報をもとに地域や年代の傾向を分析しておくとカスハラの対策がしやすくなります。

組織として明確なゴールを決めて周知させる、例えば暴力をふるったら警察を呼ぶ、弁護士対応をするなどマニュアルを決めて周知させておけば従業員も対応しやすくなるでしょう。

また、具体的な基準があれば、お客様によって対応が変わることを防ぐことができ企業利益にもつながるでしょう。

カスハラは企業が直面する課題の一つです。顧客からの過度な要求や不適切な行為は従業員のメンタルヘルスや労働環境に悪影響を及ぼし、企業が責任を問われる可能性があります。善管注意義務に基づき、企業は従業員の健康を守るために適切な対応を取ることが求められます。

企業はカスハラに対する明確な方針を策定し、従業員に対して適切な教育やサポートをすることで、労働環境を改善しリスクを軽減することができます。最終的には従業員が安心して働ける環境を整えることが企業パフォーマンスの向上につながるでしょう。

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      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

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