大手引越センターが、内部告発した元従業員に対して東京地裁に提訴していたことが分かりました。訴えられたのは企業の労働組合関係の元従業員3人。「会社の信用を傷つけた」として100万円の損害賠償を請求されています。専門家からは、相手を威圧するためのスラップ訴訟ではないかと指摘されており問題視されています。
いったい何が起こったのか?
事の起こりは、数年前に発覚した同社の個人情報漏洩騒ぎにまでさかのぼります。
2022年3月、本来ならば社内でシュレッダーにかけて廃棄しなければならない引越し見積書を、従業員の一人が持ち帰ったというものです。見積書には、406名分の顧客氏名、連絡先、引越し先の住所などの個人情報が含まれていました。これらは、一般ゴミとして従業員の自宅アパートのゴミ捨て場に袋に入れられた状態で廃棄されていました。

幸いにも、川崎市にあるこの会社の労働組合が経緯を把握し回収を行ったため、情報流出による不正使用などは確認されていません。しかし、不祥事が隠蔽されるおそれが高いと判断した労働組合は、新聞社への情報提供を行いました。
これに対し企業側は、「顧客の個人情報が流出した不祥事を報道機関に内部告発し、会社の信頼を傷つけた」と組合関係者だった元従業員3人を東京地裁に提訴しました。
専門家は、今回の訴訟を金銭的、精神的に負担をかけるスラップ訴訟に近いと指摘しています。
参考:https://www.hikkoshi-sakai.co.jp/wppdf/2022/05/bc5b538041d1d5c2736364120737cad5.pdf
参考:東京新聞https://www.tokyo-np.co.jp/article/419401?rct=kanagawa
スラップ訴訟とは?
勝訴の見込みがないにもかかわらず、立場の強い者が原告となり、被告の言論を委縮させるまたは経済的・精神的に疲弊させる目的で提起する訴訟をスラップ訴訟といいます。(恫喝訴訟とも呼ばれてます)
スラップ訴訟とは米国で生まれた概念ですが、アメリカでは規制が進んでおり、スラップ訴訟と判断されれば裁判は打ち切られます。しかし、日本ではスラップ訴訟に対する法規制はありません。憲法第三十二条で裁判を受ける権利が保障されており、所定の手続きを行えば提訴できる仕組みになっています。
訴訟の目的が勝訴ではなく、被告側に苦痛と負担を与えることにある場合、スラップ訴訟が考えられます。

参考:https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/seigan/212/yousi/yo2120415.htm
公益通報の通報先とは?
大手引越センターは、個人情報の取扱いが不適切であったことを認め謝罪しています。しかし、報道機関に情報提供した元従業員3人に対しては、「会社の信用を傷つけた」と、損害賠償を求め提訴しました。元従業員側は「報道機関への情報提供は公益通報にあたり、訴訟は嫌がらせに近い」と非難しています。
公益通報の対象となる通報先には、どのようなところがあるのでしょうか。
大きく分けて、勤め先、行政機関、報道機関などですが、それぞれ不利益な取扱いから保護されるための条件が異なるため注意が必要です。
【勤め先】
勤務する企業の内部通報窓口や、勤務先が委託する通報窓口対応業者などがあります。
保護の条件としては、通報する不正が実際に生じている、又は生じようとしていると思われる場合です。

【行政機関】
通報された事実について、処分又は勧告等の権限を有する行政機関が通報先となります。(通報した行政機関が適切でなかった場合、その行政機関は適切な通報先を通報者に紹介する義務があります。)
保護の条件としては、①不正があると信じるに足りる相当の理由(目撃情報、証拠など)があること、又は②不正があると思い、かつ、氏名などを記載して提出することです。
【報道機関など】
報道機関や消費者団体、労働組合など、そこに通報することが被害の発生や拡大を予防するために必要であると認められるものが通報先となります。
保護の条件としては、①不正があると信じるに足りる相当の理由(目撃情報、証拠など)があること、又は②証拠が隠滅されるおそれが高いなどの事情があることです。

参考:政府広報オンラインhttps://www.gov-online.go.jp/article/202402/entry-5717.html
まとめ
公益通報窓口には専門家のいる外部委託が非常に有効です!
公益通報の目的のひとつには、不正を発見した従業員が速やかに情報提供できる仕組みを整えることにあります。通報者の匿名性の確保や秘密保持にも努めなければなりません。そのためには通報窓口を正しく設置し、適切に機能させることが必要です。
外部委託の通報窓口は第三者機関のため、通報者と面識がありません。また、企業内の事情に左右されることもありません。心理的ハードルを下げ、通報しやすい環境を提供することで、問題の複雑化を防ぐことができます。
外部の専門機関に窓口を委ねるということは、企業における未来のリスクを回避することに大きく貢献します。さらに、ステークホルダーからは、透明性の高い運営組織だと評価され社会的信頼獲得にもつながります。
パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。
社外通報窓口の必要性
企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。
内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。
こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。
外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。
外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。
法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。
日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、
傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。

日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)では業界最安値で企業のハラスメント相談窓口、循環取引などの内部通報窓口を代行します。社内のハラスメント対策に日本公益通報サービス株式会社の相談窓口をご利用ください。

下記より資料のダウンロードが可能でございます。
◆日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が企業のハラスメント相談窓口、内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援いたします。
令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正、「改正公益通報者」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。具体的には、通報窓口の設置や通報者の不利益な取り扱いの禁止、通報者情報の保護などが求められます。しかしながら、社内でこれらの体制整備を実施することは、多大な負担となる場合がございます。そこで、日本公益通報サービス株式会社では、業界最安値で内部通報窓口サービスを提供いたします。
通報者が安心してご相談いただけるハラスメント相談窓口を代行させていただき、明るく働きやすい職場環境をつくるお手伝いを致します。
◆日本公益通報サービス株式会社について
本社: 〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階
代表者: 代表取締役社長 小塚 直志
設立: 2023 年 3月
資本金: 1000万円
事業内容: 当社では、企業危機管理、働きやすい職場づくりなど、長期的な健康経営に取り組む事業者様をさまざまな形でサポートいたします。
■内部不正・ハラスメント・コンプライアンス外部相談窓口サービス
・専門家(弁護士、社会保険労務士、公認不正検査士、産業カウンセラー、心理カウンセラー)によるアドバイス
・社内周知のサポート
■各種セミナー・説明会の実施サービス
・内部不正防止対策セミナー
・ハラスメント対策セミナー
・内部通報制度説明会
・アンガーマネジメントセミナー
■適性診断・基礎能力診断サービス
貴社で活躍する従業員の傾向を詳細に分析
■カスハラ・クレーム代行窓口
カスハラのリスク管理や従業員対応など幅広く実施
■ハラスメント理解度チェックテスト
貴社の職場のハラスメント理解度をチェック
企業サイト: https://jwbs.co.jp/
