兵庫県の知事をパワハラ疑惑で内部告発したとして処分された男性が亡くなりました。状況からして自殺とみられています。県では通報者を守るための改正公益通報者保護法が十分に機能していなかった疑いがあり、早急な対応の改善が求められることになりました。
公益通報の窓口をめぐっては、県議会からも新たに第三者機関の外部に設置すべきだとの声があがっています。兵庫県では県弁護士会に協力を求め、当年中には外部の相談窓口が設置される見通しです。第三者機関の窓口を設けることで公益通報をしやすい環境を整え、通報者の匿名性確保の徹底なども図るとしています。
兵庫県で何が起こったのか
今年3月、西播磨県民局長であった男性は「知事にパワハラの疑いがある」などとする文書を作成し、匿名で報道機関や県議会の関係者に送りました。文章の中では、知事が目的地の20メートル手前で公用車を降ろされ激怒したなど7つの項目についての指摘がされていました。その後、局長は県から解任、予定していた退職も保留となり班長級とする人事を言い渡されています。
知事は記者会見で「事実無根の内容が多々含まれている」「うそ八百含めて文書を作って流す行為は公務員として失格」などと述べ、指摘されていた7つの項目についていずれも事実ではないと否定しました。
これに対して元局長は「何の根拠もなく事実無根と公言した」とする文書を発表しました。その後の内部調査の結果「文書の革新的な部分が事実ではない」として元局長は停職3ヶ月の懲戒処分を受けています。
4月に入り、元局長は文書の内容について県の窓口に「公益通報」していました。その調査結果がまとまる前に停職3ヶ月とした今回の対応については、本当に適切だったのかという疑問が浮かび上がります。会見で知事は「公益通報前に文書が配布されたことも踏まえて対応した。文書の内容に革新的なところを含めて事実と異なる部分が多々含まれるので虚偽の誹謗中傷性のある文書と捉えて調査し、人事課の判断として手続きを進めて懲戒処分した」と述べ、適切な対応が行われたとの考えを示しました。しかし、県議会では独立した第三者機関による調査の必要性を求める声が県民から寄せられているとし、再調査を県に要請しています。さらに、地方自治法に基づく強い調査権を持つ「百条委員会」の設置が決定しました。7月19日の委員会には亡くなった元局長も証人として出席する予定でした。
百条委員会では8月30日に、パワハラ疑惑などの文書をめぐって知事に出席を求めました。証人尋問は2時間半に渡って行われましたが、文書で指摘された疑惑については「必要な指導だった」との認識を示しました。さらに、公益通報をした元局長を懲戒処分としたことについても「文書は誹謗中傷性が高く、処分は適切な対応だった」との考えを述べました。
9月6日には、再び知事に出席を求め二回目の証人尋問を行っています。知事は元局長の告発文書を把握した当時の状況について「公益通報にあたるとは思っていなかった」と述べ、元局長を公益通報の保護対象とせずに懲戒処分にしたことについても、県や知事としての対応に法的にも問題はなかったとの見解を改めて示しました。
知事が告発文書に真実相当性がなかったとする理由については、いつだれがどういった証言をしたか、ということに加え、写真なども付いていなかったということ、もうひとつに3月25日の元局長と職員局長との電話で、文書は噂話を集めたというやり取りがあったためだと述べました。また、告発文書に名前が出ている当事者が通報者を探そうとするなどは、告発を握りつぶそうとした行為だと問われたことに対しても、そのような認識はなく、人事課から公益通報を待って処分したほうがいいと進言された認識もないと話しました。
(参考:NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/kobe/20240607/2020025445.html)
(参考:NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20240725/k10014522901000.html)
(参考:NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20240830/k10014564601000.html)
正しい内部通報窓口と第三者機関に委託するメリット
公益通報の目的とは、不正行為などを発見した従業員が速やかに情報提供できる仕組みを整えることにあります。さらに、通報者の匿名性の確保や秘密保持にも努めなければなりません。そのためには内部通報窓口を正しく設置し、適切に機能させることが必要です。
今回のケースにおいては、公益通報者保護法の知識に乏しかったことに加え、内部通報制度や調査方法に不備があった可能性も指摘されています。
兵庫県の公益通報をめぐっては、「職員相談室」と呼ばれる部署において職員が対応してきたと伝えられています。職場内に設けられている窓口においては、通報者と相談を受ける側に面識が生じてしまうということが懸念されます。また、通報者の個人情報が漏れたり匿名性の確保が非常に難しいなどの問題点も指摘されます。
新たに内部通報窓口を設けるには、公益通報の知識が豊かなプロフェッショナルをコンプライアンス担当として配置し、情報が漏れない環境整備が必要です。それには多くの時間とコストを費やすことになりルール作りも複雑で難しい点があります。
・内部通報窓口を外部委託するメリット
外部委託の通報窓口は、第三者機関であるため通報者との面識がありません。通報しやすく、情報が漏れない環境にあるためプライバシーが保護され不利益が生じる心配がありません。初期対応においても、高度な知識を持つスペシャリストがスピーディーに動くことで解決までの時間を大幅に短縮することが可能です。第三者機関では通報者へのフィードバック体制も整えられていることから、気持ちの上での安心感につながりマスコミへのリークを防ぐ役割を担います。さらに悪意を持った誰かを陥れようとするハラスメント=ハラスメント(ハラハラ)などにも対応可能で、公正に対処・判断することができます。 このように、企業側にとっても受けるダメージを最小限に抑えられるというメリットがあり、内部通報窓口を外部の専門家に委託することは非常に有効性が高いと言えます。さらに、窓口が適切に機能することにより組織内の不正やハラスメントを自らが防ぐ自浄作用が働きます。
ハラスメント研修の必要性
兵庫県知事は7月26日の会見での「県の管理職の職員や知事を含む特別職は《ハラスメント研修》を受けるのか」という問いに対して「知事に就任してから《ハラスメント研修》を受けたことはない。機会を設けて研修をしっかり受けることが必要」との考えを述べました。
職場環境の改善を図るためには、ハラスメント研修がとても有効です。ハラスメントの数は今や50種類以上とも言われています。従業員が職場での能力を十分に発揮できる環境を整える第一歩として基礎的な知識から身につけましょう。それによりハラスメントが個人や企業に与える影響を学ぶことにもつながります。
日本公益通報サービス株式会社では、セミナーを開催いたしております。風通しの良い職場環境改善への取り組みをお手伝いいたします。
まとめ
証人尋問を終えて、知事は記者団に対し「自分の行為がハラスメントにあたるかどうかは、今後、百条委員会や第三者機関で作業していく。私の行為や言動が不快に思った職員と県民にはお詫びしたい」と述べ、進退については辞職しない考えを改めて表明しました。
しかし、県議会がすべての職員を対象に行ったアンケート調査の中間報告によると、知事のパワハラについて「知っている人から聞いたり、人づてに聞いたりしたことがある」が、4500人余りの回答を集計した結果4割近くだったことがわかっています。また、知事が贈答品を受け取っている疑いについては、900人余りが受け取っているのを見聞きしたと答えています。
百条委員会の委員長は、証人尋問の後の記者会見で「知事の説明責任が果たされたとは現時点では考えられない。私の認識としては告発文書に書かれていることはおおむね事実として認定できるのではないか」との思いを述べています。また、立憲民主党などでつくる県議会の会派は、9月19日に開会する県議会で知事の不信任決議案を提出する方針を明らかにしています。
信頼回復に向けての第一歩は、正しく機能する第三者機関の通報窓口を整え体制を強化する必要があります。専門家によるセミナーや研修を通じて、パワハラと業務指導との線引きに必要なポイントなど最新の事例をもとに知識をアップデートすることもハラスメント防止にとても有効です。
パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。
社外通報窓口の必要性
企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。
内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。
こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。
外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。
外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。
法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。
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下記より資料のダウンロードが可能でございます。◆日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が企業のハラスメント相談窓口、内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援いたします。
令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正、「改正公益通報者」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。具体的には、通報窓口の設置や通報者の不利益な取り扱いの禁止、通報者情報の保護などが求められます。しかしながら、社内でこれらの体制整備を実施することは、多大な負担となる場合がございます。そこで、日本公益通報サービス株式会社では、業界最安値で内部通報窓口サービスを提供いたします。
通報者が安心してご相談いただけるハラスメント相談窓口を代行させていただき、明るく働きやすい職場環境をつくるお手伝いを致します。
◆日本公益通報サービス株式会社について
本社: 〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階代表者: 代表取締役社長 小塚 直志
設立: 2023 年 3月
資本金: 1000万円
事業内容: 当社では、企業危機管理、働きやすい職場づくりなど、長期的な健康経営に取り組む事業者様をさまざまな形でサポートいたします。
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