政府は公益通報者保護法の改正案を2025年3月4日に閣議で決定しました。昨今、公益通報者保護法について兵庫県やフジテレビなどの問題を通してメディアにも取り上げられる機会が多くなりました。
今回は身近な法でもある公益通報者保護法の改正案について説明していきます。
現在の公益通報者保護法とは
公益通報者とは
企業、組織内での違法行為を行政機関や報道機関、企業内にある相談窓口、第三者機関の外部相談窓口へ通報した労働者(パート、派遣、取引先、公務員含む)のことをいいます。
公益通報者保護法とは
違法行為を通報した労働者が解雇、減給、降格など不利益な取り扱いをうけないよう保護するための法律です。事業者は公益通報によって損害を受けたからと言って通報者へ損害賠償請求をすることも禁止されています。

公益通報者保護法の改正点
公益通報者保護法に刑事罰 法人に3000万円以下の罰金も
公益通報者保護法の改正案では企業側が通報者を特定する動きがあったり通報を妨げたりする行為を禁ずることとしています。
内部告発したことによって、解雇や処分、理不尽な異動などの行為は刑事罰を問われることになります。個人には「6か月以下の拘禁刑か30万円以下の罰金」、法人には「3000万円以下の罰金」としています。

さらに通報者が民事裁判を起こした場合は、事業者側が通報と処分には関係がないことを立証する責任を負うとしています。
(参考:NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250304/k10014739091000.html)
公益通報の窓口とは
公益通報者保護法では内部通報者の相談窓口の設置についても罰則を設けています。
従業員300人以上の企業や組織は内部通報者の相談窓口の担当者を設置することが義務化されており、配置しなかった」場合は国が立ち入り検査をすることができるほか、命令に従わない場合は30万以下の罰金を科すとしています。
2024年2月に消費者庁は発表した【内部通報制度に関する意識調査~就労者1万人アンケート調査の結果】では、「勤務先の重大な法令違反を一番相談・通報しやすい先」として47%が勤務先(上司を含む)と答えています。このことからも、従業員の人数に関わらず企業内に内部通報窓口を設置することが必要不可欠です。
(引用:消費者庁内部通報制度に関する意識調査~就労者1万人アンケート調査の結果https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/research/assets/research_240229_0002.pdf)
外部通報窓口の必要性
公益通報者保護法を遵守するには外部の相談窓口が有効です。
2024年2月に消費者庁が表した【内部通報制度に関する意識調査~就労者1万人アンケート調査の結果】によると通報時に匿名で通報したい人が62.6%となっております。
勤務先に通報した場合、匿名でも声で個人を特定される可能性や、噂が広まる心配があり通報に躊躇してしまう場合があります。また、セクシャルやセンシティブな内容の場合、勤務先と少し距離を置いて話したい気持ちをお持ちの方も多いです。企業内でも、相談窓口を設置するにあたり、内容が漏れないように相談担当者の座席の配置など気を使うことが多数あります。
(引用:消費者庁内部通報制度に関する意識調査~就労者1万人アンケート調査の結果https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/research/assets/research_240229_0002.pdf)
企業内の負担を軽減するため、そして、内部不正を知り困っている従業員やハラスメントで苦しんでいる従業員に対して相談のハードルを下げるため、外部の相談窓口を設置することが極めて有効です。
外部の相談窓口では相談員が気持ちに寄り添い、匿名性が保たれた状態で相談することができます。
企業の担当者も、直接話すことがないため精神的負担が激減することでしょう。
まとめ
公益通報者保護法改正により外部相談窓口が重要になってきます。
従業員数300人以上事業主は公益通報相談窓口が義務化されています。今後は通報者を不当に解雇や懲戒処分した場合も重い罰則が設けられる見通しです。
これにより、公益通報を安心して行うことができるようになります。企業にとっても内部不正やハラスメントを早期発見することができるため、発展に繋がるでしょう。
公益通報する先が勤務先のみだった場合、週刊誌やテレビ局などメディアに告発し、結果的に企業が大ダメージを受ける可能性があります。そういったことを防ぐために、外部の相談窓口を設置することが今後重要になってくるでしょう。

