近年、議員によるパワハラやセクハラなどのハラスメント行為を防ごうとする動きは、全国に活発化しつつあります。しかし、茨城県の県議会では「ハラスメント相談窓口」の設置をめぐり、最大会派の反対で再調整するという事態が起こりました。
県議会での「ハラスメント相談窓口」設置騒動の経緯は?
茨城県議会では、この4月より「ハラスメント相談窓口」の運用を予定していました。議会の議長は、議会運営委員会にも報告済みで「4月1日からの窓口を開始する」としていました。設置に向けての準備も進められていたとのことですが、最大会派の重鎮が反対を示したことで見送られることになりました。この決定に対して賛成の若手議員などと意見が分かれましたが、最終的には設置はしない方向で議論は終わっています。
この相談窓口は議員間のハラスメントが主に対象で、専任の弁護士が相談を受け付け調査する体制が整えられる予定でした。問題があれば議長が議員に注意勧告を行い、それに応じなければ必要事項を公表するというものでした。
なぜベテラン議員は設置反対だったのか?
「ハラスメント相談窓口」に反対した議員にはSNSなどでも非難が集中しています。この議員は選挙に何度も当選した経歴の持ち主で、長年にわたり地元に貢献してきたベテランの議員です。
反対した理由として「議員は自制を持っている」との考えを示しています。設置することで、議員同士の対立や信頼関係の崩壊に繋がってしまい、内部が不安定になることも危惧しているとのことです。問題があれば議会内で解決することが望ましく、第三者への相談の必要性はないとの考えです。相談窓口が設けられることにより議会の情報が外に漏れてしまう可能性を心配している様子もうかがえます。これに対し設置賛成派の若手議員からは「時代錯誤も甚だしい」と非難の声が上がっています。
窓口設置の見送りが与える影響とは?
ベテランの議員によると、茨城県議員にはハラスメントを行うような人物はいないとしています。
しかし、ハラスメントへの受け止め方は人それぞれです。相談する窓口が設けられていない場合、議員のハラスメントに対する意識低下が見られるようになるかもしれません。この意識低下がパワハラやセクハラを起こすきっかけともなるため注意が必要となります。さらに、被害者が声を上げにくい環境ができてしまうため、問題の深刻化に繋がります。被害者が孤立してしまった場合、SNSへの告発にも発展する可能性があるため非常に高いリスクを負うことになります。一度失った信頼を有権者から回復するには、長い険しい道のりになるかもしれません。
「ハラスメント相談窓口」を設けることは、未来のリスクを回避し、自分自身を守ることへと繋がるのです。
議員向けの相談窓口を設置している自治体はある?
内閣府男女共同参画局が、地方議員を対象に行った「政治参画を阻む要因」を調査した結果が令和2年に発表されています。それによると、議員活動や選挙活動中に有権者や支援者・議員からハラスメントを受けたことがあるかとの質問に対して、全体の42.3%、男性の32.5%、女性の57.6%がいずれかのハラスメント行為を受けたと回答しています。
(出典:内閣府男女共同参画局「令和2年度 女性の政治参画への障壁等に関する調査研究」https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/seijisankaku_research_r02.pdf)
大阪府議会では、府内すべての地方議会の議員によるハラスメントの根絶、議員や議員になろうとする者に対するハラスメントの根絶を目指しています。これにより政治分野における男女共同参画の推進を図るというものです。男女を問わず、立候補や議員活動等をしやすい整備環境を整える目的があります。
それに伴い大阪府では、2023年3月24日より「大阪府議会ハラスメント専門窓口」の運用が開始されています。議会活動・選挙活動・政治活動におけるハラスメントの相談窓口となっており、専門的な知識や経験を有する者が対応にあたります。相談の概要は大阪府議会議長に報告が届くようになっていますが、個人情報は共有されません。今年の2月には、「議会におけるハラスメントの防止」をテーマにオンラインでの研修も行われています。
福岡県では「福岡における議会関係ハラスメントを根絶するための条例」が2023年4月1日から施行され、福岡県議会事務局に「議会関係ハラスメント相談窓口」が設けられました。去年の12月20日現在までに10件の相談が寄せられているとのことです。福岡県では相談の受け付け後、弁護士等との面談による相談が調整されます。
(参考:男女共同参画局 政治分野におけるハラスメント防止教材パンフレットhttps://www.gender.go.jp/policy/seijibunya/pdf/seijibunya_pamphlet.pdf)
(参考:大阪府議会ホームページhttps://www.pref.osaka.lg.jp/gikai_giji/toppage/)
(参考:福岡県議会ホームページ 議会関係ハラスメント相談窓口のお知らせhttps://www.gikai.pref.fukuoka.lg.jp/harassment-soudan.html)
ハラスメント相談窓口の必要性
ハラスメントとは、相手の尊厳や人格を傷つけメンタルヘルスにも影響を与える行為のことです。しかし、年齢層・性別などの違いによって、ハラスメントに対する認識にズレが生じていることがわかっています。それらを統一するためには、正しい知識を習得し、組織内部で共有しなければなりません。少し前までには許容範囲とされていた発言や行動が、現在ではハラスメントに該当する事例も数多く出てきました。
相談窓口には、組織内でのトラブルを未然に防ぐという大変重要な役割も与えられています。外部委託の相談窓口なら、ハラスメント対策の専門家によりパワハラ・セクハラ・マタハラなどハラスメント全般について学ぶ機会を設けています。さらに、組織や個人に与える影響なども考察し、ハラスメントに対する意識を高めてもらうことを目標とします。
外部委託の相談窓口は、第三者機関のため相談者との面識がありません。プライバシー情報が外に漏れない環境にあり、秘密も保持されます。さらに、傾聴力に優れたオペレーターが必要な聞き取りを適切に行うことにより、解決までの時間を短縮することができます。これによりSNSへの告発やマスコミにリークされることへの予防線を張り、組織としても受けるダメージを最小限に抑えられるというメリットがあります。
外部委託の相談窓口では、定期的なセミナーを開催しています。最新の事例をもとに学ぶことができます!
まとめ
今回の茨城県議会での相談窓口設置の見送りは、少なからず行政に対する疑念を生じることとなりました。相談窓口が正しく設置され、ハラスメントの知識を高めることは、組織にとってプラスの作用に働きます。トラブルが発生してからでは遅いのです。
茨城県は、都道府県で初めて性的マイノリティのカップルに「パートナーシップ宣誓制度」を導入した率先力のある自治体です。「ハラスメント相談窓口」の件においても、リーダーシップを発揮し、いち早く未来を見据えての再考をされるよう望まれます。
私からのコメント(フクロウ博士)
ハラスメント相談窓口への加害者は、殆ど、昭和生まれの言動が時代錯誤により発生しております。議員の場合は、派閥での駆け引きでパワハラ行為に及んでおります。
法律で義務化している現在、真摯に社会情勢をくみ取るこそが議員に求められる資質です。
パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。
社外通報窓口の必要性
企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。
内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。
こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。
外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。
外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。
法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。
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◆日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が企業のハラスメント相談窓口、循環取引などの内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援いたします。
令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正、「改正公益通報者」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。具体的には、通報窓口の設置や通報者の不利益な取り扱いの禁止、通報者情報の保護などが求められます。しかしながら、社内でこれらの体制整備を実施することは、多大な負担となる場合がございます。そこで、日本公益通報サービス株式会社では、業界最安値で内部通報窓口サービスを提供いたします。
通報者が安心してご相談いただけるハラスメント相談窓口を代行させていただき、明るく働きやすい職場環境をつくるお手伝いを致します。
◆日本公益通報サービス株式会社について
本社: 〒231-0023
神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階
代表者: 代表取締役社長 小塚 直志
設立: 2023 年 3月
資本金: 1000万円
事業内容:
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