コラム

内部通報の具体的な事例は?② 社内不正防止のために企業ができる対策とは

原価付け替えとは

原価の付替えとは、同じ企業内で、ある工事や部門等から別の部門へ原価を不正に振り替えることです。不正な原価付け替えは虚偽の原価情報を作成または操作することは会計不正につながります。

不正な原価付け替えの例として以下のような行為が挙げられます。

1.原価の意図的な操作:企業内部の担当者が原価を操作し、収益や費用を不正にゆがめる行為です。これにより、企業の業績や財務状況が偽装される可能性があります。

2.資金の流用:原価付け替えを利用して、企業の資金を不正に流用する行為です。例えば、高い原価を設定し、余剰利益を別の目的に使うなどの方法があります。

通報事例:原価付け替え金をキックバック

ここでは原価付け替えで余剰分をキックバックしていた事例をご紹介します。

建設業界の経理担当者からの通報です。

〇〇支店の支店長のお客様から届く請求書の内容がおかしいんです。これは原価付け替えしているんじゃないかと思うんですよ。
うちの会社は原価付け替え禁止されているんですけど、○○支店長のお客様からの請求書だけ、予定原価にさらに原価が上乗せされて計上されているんですよ。
これっておかしいと思うんです。

内部不正が報告された場合速やかに社内調査をする必要があります。社内調査をする際に気を付けなければならないことは、調査対象者に内密に行うことです。対象者へ分かってしまうと証拠品が廃棄される恐れがあり、追及ができなくなる可能性があります。

自社で調査したところ、期を跨いだ原価付け替えの請求書を発見。また、さらに原価が膨らんだ請求書も確認が取れました。

対象者へヒアリング

○○支店の支店長へヒアリングしたところ、原価付け替えを行っていたことを認めました。当初は利益率をよくすくために決算後に原価を計上して請求していたようです。
そのうち原価へプラスして請求してもらい、約300万円のキックバックを受けていたことも自白しました。

対象者のその後

支店長は依願退職となり不正に受け取っていた約300万円は弁済しました。
社内では、再発防止のため社員の再教育を徹底することとしました。

社内不正の防止に向けて以下のポイントを考慮することが重要です。

1.コンプライアンスポリシーの策定:まず、社内全体のコンプライアンスポリシー(※1)を策定しましょう。このポリシーは、不正行為や倫理的な違反を禁止するルールやガイドラインを明確にし社員へ示し普及させることです。

2.内部統制の整備:内部統制のフレームワーク(※2)を構築し、不正行為の監視と防止を行いましょう。社内の役割と責任、報告ライン、監査手続きなどを明確に定め、社内の透明性と責任追及の仕組みを整えます。

3.匿名報告制度の設立:社内の不正行為を報告するための匿名報告制度を設立しましょう。匿名で通報ができる社外の通報窓口(日本公益通報サービス株式会社)を設置するなど、従業員が不正を報告するための安全な手段を提供することで報復や差別を心配することなく不正を告発できる環境を整えます。

これらのポイントを総合的に取り組むことによって、社内不正の防止と教育に対する取り組みが強化されます。

(※1)コンプライアンスポリシーとは、組織や企業が法律や規制に遵守するために策定する方針や規則のことです。

(※2)フレームワークとはビジネスにおけるフレームワークとは、共通して用いることが出来る考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などの枠組みのことを指します。

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

まとめ

社内不正は会社にとって深刻な影響を与えます。今回のように悪質な請求書の処理が行われると、経済的な損失が生じるだけでなく、信頼性や財務の健全性にも影響を及ぼす可能性があります。

また、不正が明るみに出ると会社の評判が損なわれる恐れがあります。顧客や取引先、株主、社会全体からの信頼を失うことで、ビジネスにおいて重大な影響を及ぼすことがあります。

通報者が匿名で安心して告発できる環境を整えるために、社外の第三者機関(日本公益通報サービス株式会社)を窓口として通報者の話を聞き、代行することで、不正の早期発見、早期対応につながり企業の信頼と財産を守ることになります。

匿名で通報できると安心だね!

社外通報窓口の必要性

企業内の不正行為が発覚し、気軽に相談できる信頼性のある同僚や上司が不在の場合、組織の風通しに問題が生じています。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のない企業文化を築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

従業員が安心して働ける環境を確保するためには内部通報窓口を外部委託し、内部通報制度充実させることが不可欠です。組織の声を聴き、不正行為の予防と解決に向けて協力し、より健全な企業文化を作っていきましょう。

日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、

傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。

日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)ですと会社へ匿名で通報することも可能になるため、通報者がより安心して相談できる環境となります。

日本公益通報サービス株式会社とは

内部通報窓口を代行し、不正、不備に対する真偽の確認と対策立案を支援します。

お悩み事の早期解決のために、通報窓口が万全のサポート体制をもって企業をバックアップします。

日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: コンプライアンス違反(不正・ハラスメントを含む)の早期発見、
      リスクの迅速な検知・問題解決を目指します。

企業サイト: https://jwbs.co.jp/

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