コラム

中古車販売会社の不祥事から見るノルマ要求と内部通報 ノルマは必要?不要?

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連日メディアを騒がせている中古車販売会社の保険金不正請求問題。この背景には現場への異常でイリーガル(※1)なノルマ要求があったとみられています。

このノルマを要求し、達成できなかったらすぐに降格人事をするなど企業幹部がパワーハラスメント(※2)をしているという通常のビジネスでは考えられない体制だったため、従業員がゴルフボールや工具で車を傷つけ保険金を不正に請求するという異常事態にまで発展しました。

ですが、ビジネスの現場ではノルマを課させることで、成果ができることも多く
目標を設定しやすいという面もあり、メリットも多くあり、多くの企業に採用されています。

異常でイリーガルなノルマを課せることが問題です。
ここで組織として管理部、総務部、人事部、経営管理部から支援する体制がとれていなかった結果から内部統制が不能に陥っている。

言い換えれば、コントロールが効かなくなった異常な経営の実態が次々と明るみに出ています。

従業員の皆様も勇気を出して声を上げてみましょう!

(※1)イリーガルとは、英語の「illegal」(違法な)をカタカナ表記したものであり、法律や規則に違反していることを指す言葉です。

(※2)パワハラ(パワーハラスメント)とは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」という定義をしています。(詳細は下記コラムにて記載)

パワハラとノルマの関係

パワーハラスメントと異常でイリーガルなノルマは、関連しています。

上司が従業員に対して異常でイリーガルなノルマを課すことで、パワーハラスメントが発生することがあります。

中古車販売会社の場合は、前年比を割ると店長降格となり給料も大幅に下がる。それ以外にも幹部が店舗を視察に来たときに気に障ったことがあったら降格、グループライン上で、ひどい言葉を投げかけるなど日常的にパワーハラスメントが起こっていたことが報道されています。

ただし、高い目標に向かっていく向上心は養う必要があります。

パワーハラスメントが原因で、従業員がストレスを感じてノルマを達成できなくなることもあります。このような場合、従業員は不当に扱われていると感じ、会社に対する不信感や不満を抱く可能性があります。したがって、企業は従業員のストレスや不満を軽減するために、適切なノルマを設定し、パワーハラスメントを防止することが重要です。

内部統制が取れなくなり、多くのステークホルダー(※3)を無視した経営に問題があります。

(※3)ステークホルダーとはビジネスやプロジェクトなどにおいて、その成果物に直接的・間接的に関係する人々や組織を指します。ステークホルダーには、顧客、パートナー企業、株主、社員、政府機関などが含まれます。
※パワハラ相談窓口(パワーハラスメント相談窓口)
パワハラ防止法で設置義務として定められている、企業の従業員からの「パワハラ(パワーハラスメント)、その他ハラスメント」の相談に対応をするための窓口です。

ノルマは不要?必要?

ここで大切なのは、「ノルマ」があることが悪いことではないということです

営業職においてノルマがないと、評価基準があいまいになり
努力や実績を正確に評価してもらうことが難しくなることや、
仕事へのモチベーションが上がらない場合もあります。

また、従業員の気の緩みを無くすために、ノルマという目標を課して
社内に緊張感を持たせる効果もあります。

ノルマを達成することが売り上げに直結するという点で、
大きなメリットにもつながるため、ノルマを課すことが良いと考える企業が多いようです。

ただ、今回問題になっているような車両の修理を行うような中古車販売会社では、
ノルマが必要だったのでしょうか。
そもそも、修理代にノルマが課されている状況に疑問を感じますが、
理不尽なトラブルに直面した時に従業員がどのような行動をとるべきか考えましょう。

「これっておかしいかも?」と感じた時 正しいコンプライアンスの実践

異常でイリーガルなノルマを課され困ってしまう場合や、ハラスメント問題等、
「これっておかしいかも?」と感じた時どのような行動をとりますか。

まず、自分自身がどのような行動をとるべきか事前に把握することで、
トラブルに直面した時に、少し心に余裕が生まれることがあります。

・周囲の信頼できる人に相談をする。
 同僚、家族、友人等、周囲の人に「これっておかしいかも?」と相談することで
 ハラスメントや問題の大きさに気が付くことがあります。
 その場の環境で長く過ごしているうちに、異常な問題が当たり前になってしまい
 自分自身トラブルに気が付かないことがあります。

・相談窓口へ相談する
 社内・社外の相談窓口へ相談することが大切です。
 問題の大小にかかわらず、疑問や不安を感じている場合、
 ハラスメント窓口へ相談してみることをお勧めします。

・いつ、どこで、何があったか記録をする。
 詳細な記録をとることで、後々の対応がスムーズになります。

・不眠などストレス症状がある場合は、専門医に相談する。
 心も身体をこわしてしまっては大変です。
 体調の異変に気が付いたら、すぐに専門医に相談しましょう。

風通しを良くして、従業員のみんなが声を上げやすい環境をつくりましょう!

社外の通報相談窓口の必要性

不祥事のあった中古車販売会社について、消費者庁の記者会見で「内部通報体制が未整備であることが確認された」と報道されています。実際に内部告発をしていたがもみ消されていたことも報道されています。

この中古車販売会社のように会社幹部がパワーハラスメントを行っている体制だと内部告発をしたとしても今回のようにもみ消されたり、降格など報復の恐れがあり告発をすることができません。

こういった事から社内の通報制度が如何に機能しない事がわかります。

不祥事が起こった中古車販売会社も早い時点で外部の内部不正の相談窓口、パワハラの相談窓口、セクハラの相談窓口があれば、ここまで叩かれる事はなかったはずです。

公益通報者保護法

令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。
法改正により、従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。

公益通報者保護法とは

 国民生活の安全・安心を損なうような企業不祥事は、事業者内部の労働者等からの通報をきっかけに明らかになることも少なくありません。  

こうした企業不祥事による国民への被害拡大を防止するために通報する行為は、正当な行為として事業者による解雇等の不利益な取扱いから保護されるべきものです。

 

「公益通報者保護法」は、労働者等が、公益のために通報を行ったことを 理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にするものです。

引用:消費者庁 公益通報ハンドブック(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_220705_0001.pdf)

公益通報をしたことが理由で労働者を解雇した場合、その解雇は無効となります。

また、解雇以外の不利益な取扱い(降格、減給、退職金の不支給等) も禁止されます。

事業者は、公益通報によって損害を受けたとしても、公益通報者に対して損害賠償を請求することはできません。

新しく改正されたポイント!

■ 事業者の体制整備の義務化 →事業者内の「通報窓口の設置」

 (通報者の「不利益な取扱いの禁止」 など )

■ 事業者の内部通報担当者に守秘義務 →違反した場合、30万円以下の罰金(刑事罰)

■ 「公益通報者」として保護される範囲の拡大

■ 保護される「通報対象事実」の範囲の拡大

 皆様がより安心して通報できますように改正されています!

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

公益通報の流れと、公益通報者保護法に関して

公益通報者保護法は、社会的に重要な役割を果たしています。
この法律は、通報者が報復や迫害を受けることなく、安全かつ安心して情報を提供できる環境を整備することを目的としています。公益通報者は、社会にとって重要な情報を提供することができるため、その権利を守り、支援することは非常に重要です。
公益通報者保護法は、そのような通報者を守るための法律であり、社会の公正と透明性を確保する上で欠かせない法律です。

社内の内部通報窓口だけでは不十分な場合に社外通報窓口(日本公益通報サービス)が重要な役割を果たします。社外通報窓口(日本公益通報サービス)を設置することで、不正や違法行為を告発することができるため、企業や組織の健全性を保つことができます。また、社外通報窓口は、内部通報者が報復を受けることを防ぐこともできます。企業や組織は、社外通報窓口の設置を検討し、適切な措置を講じることが重要です。

不正に気がついた際に、労働者の皆様がスムーズに相談・報告ができますように、企業内に通報窓口(ハラスメント相談、内部通報、公益通報)ができる通報処理の仕組みを整えましょう。

事業者内部の自浄作用を高めるとともに、風通しの良い職場環境を大切にして社員一人ひとりが働きやすい環境を整えましょう!

企業でハラスメントが起こった場合、被害者は誰に相談すればいいのでしょうか

企業内の不正行為が発覚し、気軽に相談できる信頼性のある同僚や上司が不在の場合、組織の風通しに問題が生じています。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のない企業文化を築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

従業員が安心して働ける環境を確保するためには内部通報窓口を外部委託し、内部通報制度充実させることが不可欠です。組織の声を聴き、不正行為の予防と解決に向けて協力し、より健全な企業文化を作っていきましょう。

日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、

傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。

日本公益通報サービス株式会社とは

内部通報窓口を代行し、不正、不備に対する真偽の確認と対策立案を支援します。

お悩み事の早期解決のために、通報窓口が万全のサポート体制をもって企業をバックアップします。

日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: コンプライアンス違反(不正・ハラスメントを含む)の早期発見、
      リスクの迅速な検知・問題解決を目指します。

企業サイト: https://jwbs.co.jp/

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