コラム

内部通報により発覚した自動車メーカーの不正問題【JWBS ハラスメント相談窓口】 

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日本の自動車メーカーである某企業での不正問題が発覚し、2023年12月20日、社長による会見が行われました。国の認証取得の部分で不正を起こしていたことがわかり、国内外のすべての車種で出荷の停止を決めたようです。さらに翌日には、国土交通省による立入検査も行われています。

不正問題で企業が信頼を損なうことは深刻な問題です。品質と信頼が重要となる自動車産業では、どのようなガバナンスが必要となるのでしょうか。「不正の起こりやすい組織」「必要な対策」「内部通報があった時」について考えましょう。

不正問題で企業が信頼を損なうことは深刻な問題!最悪の場合企業の存続にもかかわる問題に発展することもあります。

一連の不正について、社長は記者会見で「お客様の信頼を裏切ることとなりおわび申し上げます」と述べて陳謝しました。

ことの発端は今年4月。衝突試験で用いたドアに、本来の仕様とは異なる加工を施していたことが内部告発で発覚したことでした。

これを機に、外部の第三者委員会がつくられ調査を始めると、数々の不正を繰り返してきた実態が判明し、最も古い不正は1989年のものだったそうです。

第三者委員会によれば、 「認定した不正行為は174個。そのうち虚偽記載類型が143個」とのことです。

衝突試験のほかに排ガスや燃費の試験なども含まれ、対象となる車は、生産をすでに終了したものを含めて64車種に上っています。この中には、他社ブランドで販売される車としてT社の22車種、S社の9車種、M社の2車種が含まれています。

今回の会見で、国内外のすべての車種で出荷の停止を決めたと公表されました。

会社がなぜこのような不正を起こすことになったのかについて、第三者委員会は、行き過ぎた「短期開発」重視の社内風土があったと指摘しています。

今回の不正は1989年からですが、2014年に不正件数が増加しているそうです。この増加した2014年は7年連続で軽自動車の販売台数トップだったこの会社が、別の会社に抜かれた年でした。

その結果、現場では異常な開発スケジュールが組まれていたようです。第三者委員会は、「試験では不合格が許されない一発勝負の強烈なプレッシャーにさらされながら業務を行っていた」と指摘しています。

さらに、「管理職が“現場任せ”」だったことにより、管理職が現場の状況に精通しておらず、経営幹部のリスクへの感度が低く、現場環境が『ブラックボックス化』したことで、長年にわたって短期開発の弊害に気づかず、社内で不正を防ぐ自浄作用も働かなかった、と第三者委員会は指摘しました。

(参考:NHKニュース:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231220/k10014293451000.html)

(参考:東日本放送HP:https://www.khb-tv.co.jp/news/15090667)

(参考:日刊自動車新聞電子版:https://www.netdenjd.com/articles/-/295171)

不正が起こりやすい組織や風土はどういったものなのでしょうか。

今回不正が発覚した自動車メーカーは現場に対して行き過ぎた短期開発を求めたことも一端となっていることが判明しました。

このように管理職が現場の状況を把握できず、訴えても意見をくみ取らなかったり、言えるような風土がない状態が不正を招く原因となりやすいです。また、トップから結果を強く求めることで追い詰められ倫理観が欠如する状態へ追い込まれ、社内全体で不正が常習化してしまうこともあります。

それ以外にも、トップが情報をつかんでいるにもかかわらず隠蔽体質がある場合も内部不正を発生させ長期化させることに繋がります。

内部不正が発覚すると企業利益損失だけでなく社会的な信用が失われます。メディアにとりあげられ誹謗中傷が起こるなど最悪の場合企業の存続にもかかわる問題に発展します。

今回の自動車メーカーは長年の内部不正が発覚した結果、多くのユーザーに不安を与え、取引先など周囲に大きな損害を与え、しばらく出荷停止となり最悪の事態となっているのが現状です。

こういった不正が起こらないために企業の対策について以下に3つ提案します。

1.外部公益通報相談窓口の設置:社内相談窓口ですと、匿名でもばれないか不安だったり、報復を恐れて相談することをためらってしまうケースがあります。また、ハラスメント(※1)やメンタルの相談をするだけでなく内部不正の通報ができる外部公益通報相談窓口であればささいな不審点であっても匿名で通報することができ、通報者の安全が守られます。コーポレートガバナンス(※2)が整備されていない組織だった場合、内部相談窓口では相談しても蓋をされてもみ消されてしまう恐れがあります。そのためにも外部公益通報相談窓口の設置が必要となります。

健全なリスクカルチャーの構築:組織内でリスクマネジメント研修(※3)や、モラルについての研修を行い、不正が起こらないガバナンスフレームワーク(※4)を整えることが必要です。

不正検査士(CFE)との連携公認不正検査士(CFE)は高い専門性を持つ経済犯罪対策の専門家で、通報があった不正を企業と共に解決していきます。不正検査士(CFE)と連携し不正疑惑が生じた場合に的確な調査を進められる体制を整えておく必要があります。

(※1)ハラスメントとは個人や集団が他者に対して行う嫌がらせや迷惑行為のことを指します。職場のハラスメントには主に、パワーハラスメント(パワハラ)、セクシュアルハラスメント(セクハラ)、 妊娠・出産に関するハラスメント(マタハラ)があり、3大ハラスメントとも呼ばれています。

(※2)コーポレートガバナンスとは、企業が経営を適切に行い、株主や利害関係者の利益を守るための制度や仕組みのことを指します。

(※3)リスクマネジメントとは、企業や組織が事業活動を行う上で、潜在的なリスクを特定し、評価・分析し、適切な対策を講じることによって、リスクを最小限に抑えることを目的とする経営手法のこと。

(※4)ガバナンスフレームワークとは、組織やプロジェクトにおける意思決定や管理のプロセスを定義し、透明性や責任、効率性を確保するための枠組みです。

内部不正が報告された場合、速やかに社内調査をする必要があります。取引履歴や請求書などの書類を確認します。不正の証拠は書類だけとは限りません。むしろ書類を残さず、メールで隠語を用いてやりとりをする場合もあるので、電子メールやチャット、通話履歴なども集める必要があります。社内調査をする際に気を付けなければならないことは、調査対象者に内密に行うことです。対象者に分かってしまうと証拠品が廃棄される恐れがあり、追及ができなくなる可能性があります。

また、社内調査は内部監査部門や、必要に応じて人事部門や経理部門とも連携して、多角的にデータを収集し、裏付けの証拠を押さえていくことも重要です。

不正対策を強化するには、管理者に対してリスクマネジメント研修、従業員にはコンプライアンス研修をおこない不正の未然防止に努めることが重要です。また、公認不正検査士(CFEに依頼し不正疑惑が生じた場合に的確な調査を進められる体制・態勢を整えておく必要があります。

公認不正検査士(CFE)とは:不正の防止・発見・抑止の専門家であることを示す国際的な資格であり、組織内外で発生する不正から組織を守るための取り組みにおいて専門性を発揮します。

社外通報窓口である日本公益通報サービス株式会社では内部不正の調査を承っており、公認不正検査士(CFE)による内部不正を調査する体制が整っております。不正調査の事実確認など迅速に調査することが可能です。

通報窓口の種類

通報窓口には大きく2種類あります。

内部通報窓口  社内の不正行為、ハラスメントや不祥事を発見した従業員からの通報を受ける社内   の相談窓口です。

外部通報窓口  社内の不正行為、ハラスメントや不祥事を発見した従業員から相談を受ける外部の相談窓口です。社外のため、声などで通報者を推測されることがなく匿名性が保たれます。ハラスメント被害者は心が傷つき精神的に追い込まれている可能性があります。社外の通報窓口は通報者が安心して相談できる窓口です。

組織の上層部によるセクシャルハラスメントが横行している場合、組織の中で内部通報をしたとしても、もみ消されてしまい、不正や違法行為が解決されずに継続する可能性があります。

また不正行為がもみ消され、内部通報者自身が報復を受けることもあるため、内部通報のもみ消しは深刻な問題となっています。さらに、もみ消しは企業や組織の信頼性を損なうことにつながり、法的な問題を引き起こす可能性もあります。

こういった事から社内の通報制度が如何に機能していない事かが分かります。

内部通報は、組織の健全性を保つために重要な手段です。従業員がもみ消しや、報復を受けるようなことがないように法が定められています。
次に、従業員が通報しても守られる法律について説明していきます。

令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。
法改正により、従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。

公益通報とは、企業などの事業者による一定の違法行為を、労働者が不正の目的で なく、組織内の通報窓口、権限を有する行政機関や報道機関などに通報することをいいます。

 ”「公益通報者保護法」は、労働者等が、公益のために通報を行ったことを 理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう、どこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にするものです。”

引用:消費者庁 公益通報ハンドブック(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_partnerships/whisleblower_protection_system/overview/assets/overview_220705_0001.pdf)

公益通報をしたことが理由で労働者を解雇した場合、その解雇は無効となります。また、解雇以外の不利益な取扱い(降格、減給、退職金の不支給等) も禁止されます。事業者は、公益通報によって損害を受けたとしても、公益通報者に対して損害賠償を請求することはできません。

新しく改正されたポイント!

皆様がより安心して通報できますように改正されています!

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

組織内のルールを見直し、意識改革に努めましょう!

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

社外通報窓口の必要性

企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。

内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

日本公益通報サービス株式会社のハラスメント相談窓口(内部通報窓口)では、

傾聴スキルが豊富な女性スタッフが優しい心で対応致します。

日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)では、業界最安値で企業のハラスメント相談窓口、内部通報通報窓口を代行します。社内のハラスメント対策に、弊社の公益通報相談窓口を是非ご利用ください。


下記より資料のダウンロードが可能でございます。

◆日本公益通報サービス株式会社(略称:JWBS)が企業のハラスメント相談窓口、循環取引などの内部通報窓口を代行し、従業員や顧客の声を集め、内部不正や整備の不備に対する真偽の確認と対策立案を支援するとともに、従業員の心と健康づくりを支援いたします。

令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正、「改正公益通報者」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。具体的には、通報窓口の設置や通報者の不利益な取り扱いの禁止、通報者情報の保護などが求められます。しかしながら、社内でこれらの体制整備を実施することは、多大な負担となる場合がございます。そこで、日本公益通報サービス株式会社では、業界最安値で内部通報窓口サービスを提供いたします。

通報者が安心してご相談いただけるハラスメント相談窓口を代行させていただき、明るく働きやすい職場環境をつくるお手伝いを致します。

◆日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: コンプライアンス違反(不正・ハラスメントを含む)の早期発見、
      リスクの迅速な検知・問題解決を目指します。

企業サイト: https://jwbs.co.jp/

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