コラム

社会問題化している「モンスター社員」 その具体例と対策について

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社会的問題として人事及び労務担当者を悩ませている「モンスター社員」。

会社に対する些細な不満を容赦なくアピールし、強引に自己の満足に結びつけようとする彼らの実態は、ときに社会常識を逸脱し、周囲を巻き込んで大問題と化します。

近年、モンスター社員は増えていると言われており、社会状況の変化が影響しているとみられています。

今回は、そんなモンスター社員について、その具体例や傾向と対策について述べたいと思います。

モンスター社員とは、社内の規則や業務命令に従う意識が乏しく、仕事に対する言動や職場での態度に著しく問題がある従業員のことをいいます。

同僚や上司、取締役への誹謗中傷を繰り返すなど、職場環境に重大な悪影響を及ぼすことがあります。

能力不足、協調性の欠如、無断欠勤、頻繁な遅刻、業務命令の拒否、部下に対するハラスメント行為、社内での不倫などといった問題点のある社員は、「問題社員」と呼ばれることもあります。

モンスター社員の言動や態度は千差万別ですが、いずれも会社に対して著しく不利益を与えるものであり、決して無視することが出来ません。

モンスター社員を放置してしまうと、会社にとって大変な事態になってしまうんだね・・・。

モンスター社員が増えている背景として、以下の点が挙げられます。

①インターネットの普及により、情報が容易に得られる

今の時代は、スマートフォンで、誰もがどんな情報でも得ることが出来ます。

インターネットで得た情報をもとに、自らに都合のいい部分だけを引用したり曲解するなどして、それをあたかも「権利」かのように主張する人もいます。

モンスター社員は、このように歪曲された「権利」を大義名分として、会社を逆に攻撃するようになり、会社側がその内容が正しいのかどうかの判断が出来ない場合には持て余す結果となります。

情報が容易に得られるようになったことにより、労働者が自らの権利を適切に行使できる環境が整った反面、モンスター社員には武器を与える結果にもなっているのです。

②ハラスメントという言葉の拡大解釈

「モンスター社員」が問題になる前に、社会問題となったのが「ハラスメント」問題です。

職場での優越関係を背景として、業務上必要且つ相当な範囲を超えた職場環境を害するハラスメント行為(パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、マタニティハラスメントなどの各種ハラスメント)は、決してあってはならないものです。

現在、「ハラスメント」に対しては、「受け手がどう感じたかで決まる」「被害者がハラスメントだと感じたらハラスメント」といった、主観を重視する傾向がありますが、これは誤った理解です。

パワーハラスメントに関して厚生労働省は、「客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しない。」と明言しています。

モンスター社員は、「ハラスメント」の意味を独自に解釈し、注意指導をする上司を「パワハラですよ!」などと責め立てることで、上司が職場内で充分な注意指導ができない状況を作り出しているのです。

③適切なストレス対処ができていない

問題行動をとる従業員の中には、様々なメンタルヘルスの不調が原因となっている場合もあります。

実際にはメンタルヘルス不調を抱えているにもかかわらず、本人にその自覚がなく、問題行動を繰り返す場合もあります。

このような場合、会社としては、どのようにして医療機関の受診を促すかなど、様々な配慮が必要となりますが、幅広く問題の原因についての可能性を考慮するとともに、日ごろからの産業医など医師との連携も重要になります。

(参考:かなめ介護研究会:https://kaname-law.com/care-media/labor/monster-employee/)

(参考:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)【令和2年6月1日適用】https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf)


モンスター社員の具体的な例として、以下のようなものが挙げられます。

・業務命令に従わずに自分の権利ばかり主張する

・正論を通すことにこだわり、業務命令に従わない

・上司や同僚に暴力を振るい、暴言をはく

・社長や上司に対する誹謗中傷を繰り返す

・部下や弱い立場の社員に対していじめやハラスメントをする ❞

(引用:https://kigyobengo.com/media/useful/1117.html)

また、モンスター社員の特徴と心理としては、「自分のこと以外に無関心」「自己評価が高い」そして「会社に対する評価が低い」という傾向も見られます。

自分の考え方や判断には強いこだわりがあり、その一方で、自分とは関係が無いと判断したことに対してはひたすら無関心であるため、トラブルが起きたときにも、相手の立場を考えたり相手に対して寛容さを持つことができず、自分の主張を通すことに強くこだわりすぎて問題がこじれることも起きがちです。

また、自己評価が高く、「自分は正しい」「仕事がちゃんとできている」と思い込んでいるため、上司の指導や同僚の助言に耳を傾けない傾向もあります。

逆に、会社に対する評価が低いため、「こんなところは自分の本当の居場所ではない」という感覚を持ち、自分のやりたくない仕事や納得のいかないルールを示されると、不当な扱いを受けたと感じ、会社に対して強い不満を抱きがちです。

モンスター社員は、職場にどのような影響をもたらすのでしょうか。

会社や組織の秩序を無視するモンスター社員など問題社員を放置していると、会社の規律がルーズになり、以下のような問題が起こります。

・影響を受けた従業員が、会社の指示や上司の指示に従わないようになる

・会社の指示に従わないだけでなく、会社に対して不当な要求をするようになる

・モンスター社員など問題社員のトラブルでダメージを受けた優秀な従業員が離職する

・会社として十分な顧客対応、取引先対応に手が回らなくなり、顧客や取引先が離れていく

・経営者や上司のことを馬鹿にして従わない雰囲気が社内に広がる

このように、会社のルールにあからさまに従わない社員を黙認してしまうと、他の従業員も影響を受けて問題が広がり、経営者が会社をコントロールできない状態になるうえ、会社の収益も次第に悪化してきます。

そのため、問題を放置したり、黙認したりせずに、すぐに必要な対応をとることが非常に重要になります。

モンスター社員など問題社員への対応としては、問題行動がみられた際には、直ちに指導することが対応の基本になります。

以下のような対応をすると問題行動が拡大し、モンスター化する危険があります。

・退職してしまうことを恐れて、とりあえず我慢する

・指導することによる反発を避けるために黙認する

・成績のよい社員だからと黙認する

・男性上司が女性の問題社員に対して遠慮してしまい、必要な指導を怠る

また、従業員が同じ問題行動をした場合に、経営者や上司が、それに対して指導をしたりしなかったりというように時によって対応がまちまちになると、指導をしても単に機嫌が悪かったから怒ったんだろうと受け取られてしまいます。

遠慮せずにその都度繰り返し指導すること、問題行動があった場合は必ず指導することが大切です。

指導をするときは、感情を入れずに、端的に問題点を伝えることが重要です。感情的になったり、持って回ったような言い方、嫌みな言い方は、伝えたいことが曲解される可能性があり、適切とは言えません。

例えば、仕事が期待するレベルに達していない社員に対して、「新人でもそのぐらいはできるぞ!!」というような感情的な言い方は相手の反発を買ってしまいますし、場合によってはパワハラと判断されてしまいます。

「この業務の場合は、どのようにすべきなのか、どうしたらスムーズに仕事が進むのか」という問題点に応じた具体的な改善方法を、わかりやすく端的に伝えることが重要です。

また、モンスター社員など問題社員化することを未然に防ぐために、問題社員であるかないかに関わらず、毎月従業員と面談をして日ごろから一人一人との意思疎通を図っておくことも大切です。

実際に問題行動に対する指導や面談を行っても、改善が見られない場合は、配置転換など、異動によって適性を見たり、必要に応じて懲戒処分を検討することも、対策として重要になります。


問題行動がみられた際には、直ちに指導することが大切なんだね。

「モンスター社員」は社会的にも問題となっていて、放置すると会社にとって大問題と化す可能性があります。

ですが、解雇も簡単にはできないためどのように対処すればよいか分からない場合もあるでしょう。

モンスター社員などの問題社員が増えている社会的かつ時代的な背景も理解した上で、状況に応じて適切に対応することが必要です。

就業規則や労働契約書に解雇についての事由を記載し、労働者に周知しておくこともその一つですし、正当な理由があれば、必要な手続きを経ての解雇もあり得ることかと思います。

ですが、できるだけ解雇という事態にならないように経営者と労働者が、働きやすい環境を作っていくことが大切です。双方が話しやすい職場環境づくりを日頃から心がけましょう。

(参考:かなめ介護研究会:https://kaname-law.com/care-media/labor/monster-employee/)

(参考:事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号)【令和2年6月1日適用】https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000605661.pdf)

(参考:弁護士法人咲くや咲くやこの花法律事務所:https://kigyobengo.com/media/useful/1117.html)

パワハラ防止法・改正公益通報者保護法対策の窓口整備はお任せください。

社外通報窓口の必要性

企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。

内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。

こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。

外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。

外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。

法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。

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令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正、「改正公益通報者」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられます。具体的には、通報窓口の設置や通報者の不利益な取り扱いの禁止、通報者情報の保護などが求められます。しかしながら、社内でこれらの体制整備を実施することは、多大な負担となる場合がございます。そこで、日本公益通報サービス株式会社では、業界最安値で内部通報窓口サービスを提供いたします。

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◆日本公益通報サービス株式会社について

本社:   〒231-0023
      神奈川県横浜市中区山下町2番地 産業貿易センタービル9階

代表者:  代表取締役社長 小塚 直志

設立:   2023 年 3月

資本金:  1000万円

事業内容: 当社では、企業危機管理、働きやすい職場づくりなど、長期的な健康経営に取り組む事業者様をさまざまな形でサポートいたします。

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企業サイト: https://jwbs.co.jp/

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