コラム

教職員の不祥事が次々と発覚! 「日本版DBS」についても解説

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学校という教育現場で混乱が生じています。静岡県では2023年度における教師の懲戒処分が異例の21件にのぼりました。臨時の校長会が開かれるなど連鎖のストップを呼びかけましたが、教職員の不祥事が止まりません。

2024年6月19日には「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」を導入するための法律が参議院本会議において全会一致で可決・成立しました。子どもたちを守る法律とは、いったいどういうものなのでしょうか。今回のコラムでは「日本版DBS」の仕組みについても解説します。

静岡県教育委員会は、勤務先で女子生徒2人に、わいせつな行為をしたとして職員の男性を1月29日付けで懲戒免職処分にしました。実習助手として県立高校に勤めていた30代の男性は、行為を認めた上で「生徒のうちの1人には恋愛感情があった」と話しています。この事案は去年の9月に匿名での情報が寄せられ公になりました。しかし、男性の務める高校の校長は、去年の4月には問題を把握していたことがわかっており、事実確認を怠ったとして、減給10分の1、懲戒2ヶ月の処分を受けました。

県の教育委員会では、生徒へのわいせつ行為など教員の不祥事が発覚したことを受け、オンラインによる臨時の校長会を開いています。県内すべての公立高校合わせて114校を対象として行われたもので、年内にもわいせつ事案に特化した初動マニュアルを作成することを明らかにしました。

静岡市では、勤務先の生徒にわいせつな行為をしたとして20代の男性教師と特別支援教育支援員である女性職員の2人が3月25日付けで懲戒免職処分を受けています。いずれも市内の中学校に勤務していました。このうち、男性教師は勤務する中学校の女子生徒に、抱きしめたり体を触るなどの行為を複数回行っていたとのことです。生徒の保護者から校長に被害の相談があったことから発覚しました。

一方、女性支援員は今年の2月から3月かけて勤務先の生徒と車の中でわいせつな行為を繰り返していました。女性職員も行為を認めたうえで謝罪をしています。この問題を受けて2人の上司である校長も、それぞれ監督不行届として文書訓告処分されました。 さらに、浜松市内の中学校でも同じような事案が発覚しています。懲戒免職処分となったのは20代の男性教師で、勤務先の女子生徒に、抱きしめてキスをするなど不適切な行為を繰り返し行っていたとのことです。去年の2月頃に男性教師の方から女子生徒にインスタグラムにメッセージを送っており、市外に2人で出かけたりするなどもしていました。男性教師は、「女子生徒に好意を持っていた。申し訳ない」と謝罪をしています。教師自らが同僚に相談したことで問題が発覚しました。

浜松市教育委員会では、生徒とのSNSでの個人的なやり取りは禁止しているとのことですが、以前にも同じような事例が発生していたことから、校長会などで研修を予定しているとのことです。

(参考:NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240328/3030023384.html
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240129/3030022859.html
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20240325/3030023349.html)

教師という職業は、学校という閉鎖的な空間で常に授業や生徒指導に追われています。事務処理や部活動顧問を加えると、かなりのマルチタスクを実行していることになります。過重労働になりやすくストレスを抱え込む職種と言えるでしょう。文部科学省が発表した「教員実務実態調査(令和4年度)」を見てみると、長時間勤務の教師が多いことが分かります。

長時間労働は、ストレスの一因となります。ストレスはメンタルヘルスの不調や人間関係の悩みにまで発展します。教師にとって誰にも相談できないことが、不祥事のきっかけになり引き起こされているのかもしれません。これらを未然に防ぐためには、教職員のために気軽に相談できる窓口が必要です。ストレスチェック体制に加え、業務上の悩みやハラスメント全般にすぐに対応できる第三者機関の相談窓口の設置が有効とされます。

(参考:文部科学省 https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_01232.html)  

イギリスでは、18歳未満の子どもの安全確保のために、子どもに関わる職種については犯罪履歴照会を行うことを義務付けています。教師や保育士などの仕事に従事しようとする者に対して、過去に重大犯罪(性犯罪など)がないことを確認するシステムのことです。前歴開示・前歴者就業規則機構(DBS=Disclosure and Barring Service)と言われる組織において、「子どもや脆弱な大人と接する仕事に就けない者のリスト」の作成が行われています。特定の重大犯罪で有罪とされた者・警告を受けた者は、警察からDBSに対して情報提供がなされ、自動的にリストアップされる仕組みが整えられています。

日本では、教職員のわいせつ行為などの不祥事が後を絶ちません。しかし、ようやく2024年の3月19日に「日本版DBS」制度を導入しようとする法案が閣議決定され、政府も動き出しました。さらに、2024年6月19日の参議院本会議において「日本版DBS」の導入が可決・成立となり、法律の公布後2年以内に運用を目指すとしています。

現状では教師や保育士に性犯罪歴があっても就業は可能ですが、「日本版DBS」の導入が始まれば無犯罪証明書の提出が義務付けられるため不可能となります。事業者が、こども家庭庁を通じて法務省に犯罪歴を照会できる仕組みが整えられる予定です。

「日本版DBS」では、子どもに関わる仕事に就こうとする者を対象に特定の性犯罪歴がないかを確認する制度となります。学校や認可保育所・幼稚園・認定こども園・児童養護施設などは対応が義務付けられることになります。いっぽう、学習塾や認可外保育施設・放課後児童クラブなどは任意での参加となります。

犯罪歴の確認対象となる罪(不同意性交罪、ポルノ禁止法違反など)を「特定性犯罪」と明示し、痴漢や盗撮などの条例違反も含まれます。照会が可能な期間は、禁錮刑以上は刑の終了後20年、罰金刑は10年、執行猶予の場合は裁判の確定日から10年となっています。

また、政府では現職に性犯罪歴が確認された場合に備え、子どもに接することを禁じるなど配置転換や解雇を含め対応すべきガイドラインの策定を急ぐ方針です。

(参考:NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240619/k10014485421000.html
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240619/k10014483321000.html)

静岡県では、教職員の不祥事の連鎖が止まりません。2023年度の懲戒処分は21件となっており、前年度を上回っています。生徒が巻き込まれる事案もかなりの数が発生していることから、早急の対策が必要です。まずは、セミナーや研修会を通じて教職員の法令順守の意識を高めることが最優先の課題となります。「日本版DBS」の導入も、子どもたちを守るために大きな役割を果たしてくれることでしょう。

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