2023年後半、プロ野球選手による重大なハラスメント行為が発覚し、ハラスメントを行った選手は来季自由契約となりました。この事態により球団社長は記者会を開き「このような事態になったことを深くおわび申し上げます」と陳謝することとなり、この会見で球団はハラスメント行為を長く把握できていなかった事と、これまで相談窓口は設置していなかったと述べ、球団社長は「重く責任を感じている」と話しました。
被害に遭った選手はなんと10名、そのほか被害を見聞きした選手は40名もいることがわかり、この選手のハラスメントが常習化していたことが見受けられます。また、ハラスメントの内容も人格否定、暴言、下半身露出の強要、暴力、金の徴収など非常に悪質なものでした。
球団社長だけでなく、球団オーナーもコメントを出しており、連日メディアでも大きく取り上げられプロ野球界全体に関わる事態へと発展しました。
ハラスメントってなに?
ハラスメントとは同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの 職場内の優位性を背景に、 業務の適正な範囲を超えて、 精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為です。
具体的なハラスメントの例としては、セクシャルハラスメント(性的な言動や行為による嫌がらせ)、パワーハラスメント(権力を持つ者が部下や弱者に対して行う嫌がらせ)、マタニティハラスメント(妊娠・出産に関する嫌がらせ)があり、3大ハラスメントとも呼ばれています。
厚生労働省ではパワーハラスメントとの定義として、以下のように記しています。


今回のプロ野球選手の行為は暴力をふるう、人格否定や侮辱的な攻撃など行っており重大なパワーハラスメント行為といえます。
ハラスメントの被害に遭ったら
ハラスメントの被害に遭ったら、どうしたらよいのでしょうか。今回のプロ野球球団のハラスメントでは40名もの人が見聞きしていたと回答していました。こういった行為の被害に遭うだけでなく見聞きするだけでも、不快な思いを与え被害者となります。
もし被害に遭われたときは記録をすることをお勧めします。いつだれにどんな被害に遭われたか、場合によっては録音をし証拠を残すことが大切です。
被害に遭われた方は自尊心を傷つけられセンシティブな状態になっています。信頼できる周囲の人や上司に相談出来る環境であれば相談をしましょう。ただ、そのような環境が整っていなかったり、報復が怖い、異性で話しにくいことも多くあります。そういった場合は通報相談窓口に相談することをお勧めします。今回のプロ野球球団にはこういった相談窓口がなかったことがわかっています。もし、相談窓口があればここまでひどいハラスメントにならず早く解決できた可能性があったでしょう。
相談窓口の重要性がわかりますね
公益通報者保護法の改正
公益通報者保護法とは内部通報を行った労働者を保護する法律です。これにより通報者が公益のために通報を行ったことを 理由として解雇等の不利益な取扱いを受けることのないよう保護されます。
令和2年6月「公益通報者保護法」が一部改正され、令和4年6月1日から施行されました。法改正により、従業員数300人を超える事業者には、内部通報に適切に対応するための必要な体制の整備が義務付けられています。従業員数が300人以下の場合では努力義務となります。

消費者庁は2023年12月に内部通報体制の整備状況について企業1万社に対してアンケートを実施することを発表しています。消費者庁長官は記者会見で公益通報者保護制度の周知と啓発をあらためて掲げ、事業者の体制整備を促していきたいと述べていました。