2023年大学院生対象の教育プログラムで、男性教員らによる女子学生へのセクハラ行為などが多発していたことが発覚しました。問題が発覚した経緯は元履修生の女性から相談を受けた大学側が調査を実施し、聞き取りの結果、男性助教4人が、複数の女子学生に対するハラスメント行為があったことが判明しました。
調査の結果判明した具体的なハラスメントの内容は、●女子学生を会食に誘う●特定の学生の写真を執拗に撮る●拒みにくい立場を考慮せずラインを訪ねる などのセクハラを含むものでした。
加害者である助教4人は調査開始前に任期切れで退任し、4人のうち3人は調査後に謝罪文が提出されたことがわかりました。また、事態がメディアに明るみになり、教育プログラム責任者の教授は「事態を重く受け止め、今後も繰り返し振り返ることで組織内の意識共有を図る」などとコメントしました。
しかし、後日、問題が起こった教育プログラムの運営側が「メディアにうまく利用された」「報道を止められなかった」といった内容のメールを履修生に送っていたことが判明し、内部関係者からは「問題を軽視した内容で、被害者の二次被害にもつながりかねない」と批判の声が上がっています。
このような学内で起こるセクハラによる教育上不利益を与える行為はアカデミックハラスメントと呼ばれます。ここでは、アカデミックハラスメント=アカハラについて、簡単に解説していきます。
(参考:産経新聞 https://www.sankei.com/article/20240221-IP222NKCBFK6PCNXQOACK44BXI/)
アカデミックハラスメントとは
文部科学省のが調査した大学におけるハラスメントの内容のなかで、ハラスメントの種類の内容としてアカデミックハラスメントを以下のように記しています。
❝教育、研究の場における、立場、権力を利用して、不適切な言動・指導を行い、その指導等を受けるものに就学・教育・研究上または就業・業務遂行上の不利益を与え、その環境を悪化させること。人格攻撃、指導の拒否、正当な理由のない教学上の不利益、研究妨害などが含まれる。❝
(引用:文部科学省 https://www.mext.go.jp/content/20200915-mxt_gaigakuc3-000009913_1.pdf)
具体的には、学内、教育機関で行われるパワーハラスメントやセクシャルハラスメント、人種差別や性的指向に対する差別などにより、教育や就業上の不利益を与えることが挙げられます。そのほかにも、指導方法がネグレクト状態であったり、逆に過度な課題の要求なども、アカハラとも呼ばれています。
院生や学生に対して発生するだけではなく、教授から准教授や助教、講師などへ行われることもあります。この場合、出張妨害や講師への推薦拒否、研究機材購入を不当に許可しない、などもアカハラに当たります。
アカデミックハラスメントは、被害者の心身に悪影響を及ぼすだけでなく、研究成果にも悪影響を与える可能性があります。学生の場合就職や進路など将来が大きく変わってしまうこともあります。
アカハラが起こる背景には何がある?
今回の教育プログラムのアカハラが起こった背景には、男性優位の組織体系があったことが考えられます。大学内の組織運営が男性教授だけで固められていたとき、ハラスメント、特にセクシャルハラスメントに関する訴えを聞き入れてもらえない雰囲気だったり、まともに取り合ってもらえない、言い出しにくい、二次被害に遭うのではないか、など被害に遭った女子学生の不安が増す環境になります。
被害女性は希望の教育を履修しただけなのに、教員と学生という力関係がある中でセクハラ行為を受け精神的苦痛を受けることとなりました。セクハラ被害者は心に傷をうけ、その先の未来が大きく変わってしまうことがあります。大学という未来ある学生たちが集まる場所でこのような事態が起こってしまうのは非常に残念です。
学内で行われがちなハラスメント行為
♦進路の妨害
学生にとって、卒業や進級は非常に重要なステップです。教授が、適切な理由がないにもかかわらず単位を与えないことは、アカハラに該当します。「講義を一度体調不良で休んだ」など理不尽な理由で単位を与えない、異常なまでの厳しい採点で試験を落第させるなども含まれます。また、卒業や進級を条件に雑用や論文制作の手伝い、食事や外出を強要することも問題があります。これらの行為は学生や立場の弱い教員の権利を侵害し、アカハラにあたります。
♦研究に対する妨害
必要な資料を見せない、機材、機器を使用させないなど研究に必要なものを使わせないこともアカハラにあたります。それ以外にも、大量の雑務を一人に押し付ける、講義や、ディスカッション中に周囲に人がいる中、理不尽に叱責したり出ていくよう指示をすることも含まれます。
立場の強い者が、気が付かないうちに行っている言動があるため、ハラスメント行為にあたる内容を周知しておく必要があります。
♦研究成果の盗用
立場の強い者が研究結果やアイディアを盗むこと、強引に言いくるめて自分のものにすることはアカハラにあたります。また、論文の第一著者として自分の名前を書くように強要する事、空気を読ませて書かせることもアカハラになります。
♦大声で怒鳴る、威嚇
大声で怒鳴ったり、紙を丸めて頭をたたく、机をたたく、椅子を蹴るなどの行為は周囲の人を委縮させ心身ともに疲弊させます。容姿について馬鹿にするような言い方をするのもハラスメント行為になります。
♦立場を利用した性的言動、行動
学内では教員や学生など権力の関係が明確な場合が多く、断りにくいことを利用し性的な言動や誘い、ボディータッチなどが行われることがありますが、これは立派なセクハラです。
加害者側はそんなつもりはなかった、受け入れてくれているはずだ、など勝手な思い込みをし、気が付かず加害者になっているケースもあります。しかし、被害を受けた側は精神的に深い傷を負いその後の人生を大きく左右されてしまいます。特に、大学の権力の下にいる学生たちは学ぼうとしている将来に希望がある若者たちです。教員はこのような学生の未来を潰さないよう育てなければなりません。
ハラスメントを防ぐために
年代や個人の感覚、性別によってハラスメントの認識は大きく違ってきます。特に年齢が高くなると昔は大丈夫だった言動が、今の時代コンプライアンス違反になり大きな問題に発展することになります。
意識を統一させるにはハラスメントに関わるセミナーを開催することが必要と言えます。
今回の事件の女子大生は所属大学へ被害を訴え、調査まですることができました。しかし、大学内に信頼できる相談機関がない場合や、匿名で相談したい、など学内に相談するのが不安な方もいらっしゃいます。そんな時、外部の相談窓口があれば、中立な立場で匿名性を保ちながら被害を訴えることができます。そのためにも、セミナーで公益通報と通報窓口について学ぶことが必要になってきます。
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社外通報窓口の必要性
企業内の不正行為を発見しても身近に相談できる上司や同僚がいなかったり、相談機関が機能していないとき、不正が見過ごされてしまいます。
内部不正だけでなく、ハラスメントの場合も然りです。ハラスメントの被害者はとても傷つきセンシティブな精神状態になっています。セクシャルハラスメントの被害者が女性の場合、男性の上司や社内窓口担当者へ話をすることを躊躇し泣き寝入りする可能性もあります。さらに、通報対象者からの報復の懸念があるため、上司、社内の監査、人事などへの相談も難しい状況です。
こうした複雑な状況に立ち向かうために、「社外通報窓口」(ハラスメント相談窓口、循環取引など社内不正相談窓口)の設置が必要です。社外通報窓口は、組織内の従業員がいつでも安心して相談できる独立した窓口です。
外部通報窓口であれば、匿名性が保たれます。内部通報窓口で匿名を希望したとしても声や話し方で自分だとわかってしまうのではないかと不安に思う通報者も多数いらっしゃいます。
外部に設置された相談窓口は中立的な立場から問題の解決を支援し、通報者を守ります。組織全体が不正行為の防止に向けて協力し、個々の従業員の意識改革を行うことが必要です。
法律や規制に合わせて不正行為の予防意識を高めるための努力が求められます。不正行為のないリスクカルチャーを築くことは、信頼性を高め、生産性を向上させる大きな成果をもたらします。
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設立: 2023 年 3月
資本金: 1000万円
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