学校や部活でのいじめが原因で、自らの命を絶つという重大事態が報告されています。学校側が適切な対応を講じていないケースも見られ、大きな社会問題となっています。加えて、現在の日本の教育現場では、いじめに関わったすべての人に、どう対応するべきなのか非常に難しい課題にも直面しています。今回のコラムは、日本の現状と海外との「いじめについての認識の違い」を解説していきます。
子どもの自殺での「詳細調査」とは?
文部科学省は、子どもが自殺した背景を把握するため、いじめなど学校に関する要素が疑われる場合や遺族の要望があれば、「基本調査」を速やかに行ったうえで「詳細調査」に移行するよう指針で示していました。しかし今回、文部科学省が初めて運用状況をまとめた結果、調査希望の制度を遺族側に伝えていなかったケースが4割にも上ることがわかりました。
2022年度に自殺した小中高生を合わせた411人のうち、中立的な立場の外部専門家を加えた組織(第三者調査委員会)による「詳細調査」が行われたのは全体の5%にあたる19件だけでした。詳細調査をしなかった理由について各教育委員会は、「基本調査で全容が解明できた」「自殺の原因が学校生活に関係するものではなかった」「遺族が望まなかった」と回答しています。
「詳細調査」をめぐっては、そのような制度があること自体を知らなかったとする遺族も多数存在したことから、文部科学省の指針に沿えていなかったことがうかがえます。遺族の一人は、「学校という場所で何があったのか。詳細な調査がされず、知る機会が一生失われる辛さを考えてほしい」と改善を求めました。
遺族に寄り添った制度でなければならないのに・・・知る機会が奪われるようなことになっては決していけません!
2013年6月に、「いじめ防止対策推進法」が成立しています。子どもの自殺の原因がいじめの疑いがある場合、いじめ防止対策推進法に規定する「重大事態」として事実関係の調査など必要な措置が義務付けられており、組織を設けての調査は必ず行わなければなりません。
(参考:NHKニュースhttps://www3.nhk.or.jp/news/html/20231030/k10014242171000.html)
(参考:文部科学省 子供の自殺が起きたときの背景調査の指針https://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2014/09/10/1351863_02.pdf)
なぜ学校という場所でいじめが起こってしまうのか
学校は、集団でのいじめが起こりやすい環境だと言われています。いじめの背景には、加害者だけでなく全ての子どもに複雑な背景が存在するようです。子どもの多くが自分の置かれている状況に満足し、適切な人間関係を築くことができれば大きな混乱は起きません。
しかし、子どもの心は未熟です。集団では、自分とは違うものを排除しようとする心理が働き、それにより仲間との結びつきを強めようとします。また、力関係で弱い立場にいる子どもは、自分を守ることに専念し、同調したふりをしていじめに加わります。従わないと自分がターゲットになる可能性を認識しているからです。
いじめは、誰かに認めてもらいたいという承認欲求と不満やストレスのはけ口として発生します。感情のコントロールが効かず、自分自身を上手に表現できないことが、他者をおとしめることで発散させているのです。さらに、加害者の家庭内で暴言・暴力が日常的に行われている場合や虐待を受けているケースもあります。
(参考:文部科学省「いじめ対策Q&A」https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/toushin/07030123/001.pdf)
世界のいじめ対策プログラム
いじめは、ターゲットになった子どもの心と体に大きな影響を及ぼします。たとえ言葉によるいじめであっても、それは暴力です。
韓国では「学校暴力予防法」という法律が2004年に制定されており、いじめは学校での暴力として認識されています。公立の学校には「学校暴力責任教師」(いじめに対する専門の責任者)の配置が義務付けられ、いじめ発生時の対応すべてを担います。いじめが起きないように環境の整備も整え、生徒には予防教育も行います。韓国では、いじめの事案調査は開始から審議会までに2週間で終わらせる規定となっています。
さらに韓国政府は、2023年4月に加害者厳罰化という驚きのいじめ対策を示しました。厳罰化のひとつが、「いじめの加害記録を大学入試に反映させることを義務付ける」というものです。つまり、いじめの加害行為を行った記録が大学の合否に関わるということです。2026年から、すべての大学の入試で加害記録を合否に反映させます。
いじめの加害者になると、学生生活記録簿に処分の記録が記載され卒業後4年間は保管されるんだね。
会見の場でハン・ドクス首相は、「加害生徒にはいじめの責任を必ず負わせ、いじめの対価は払わなければならないという認識を学校現場に根付かせるようにする」と述べました。ある大学が1,500人を対象に行ったアンケート調査では、91.2%がいじめの予防に繋がるとして、この政策に賛成しています。
アメリカでは州によって多少の違いがあるものの、いじめは家庭環境の問題だけでなく病的なものが隠されている可能性も疑います。そのため、加害者には精神科医のもと、共感トレーニングやアンガーコントロールのカウンセリングを義務付けています。アメリカでは、いじめの加害者に対して子どもであっても社会的責任は取らせるという方針です。
多様性を重視するカナダは、いじめの予防に最も力を入れている国のひとつです。学校のカリキュラムには多文化教育が組み込まれており、異なるバックグラウンドをお互いに尊重し理解する力を幼いうちから養います。小学校では学年が違う子ども同士がペアとなり、一年を通じて上級生が下級生をサポートするビッグバディシステムも活用されています。下級生のバディが同級生とトラブル(いじめ等)にあった際には、上級生のバディが仲裁に入ります。
いっぽう日本の教育現場では、いじめが発覚した際は教師が解決すべきだという考えが根強くあります。加害者への措置として出席停止という処分はありますが、子どもの学ぶ権利が優先されるため実際に行われることはありません。加害者を学校から一時的に切り離し、矯正指導を受けさせるということも現実的ではありません。
まとめ
日本は、いじめの加害者にどう対応するべきなのか非常に難しい問題を抱えています。
さらに、被害者や遺族に寄り添った適切な対応と調査の方向性を示すことも、優先課題として残されています。いじめ加害者への処分が適正に行われる日が、近い将来訪れるのでしょうか。
非常に悲しい事です。未だ社会生活が未熟な子供たちがいじめる側も善悪の意識がないまま行為を繰り返している現状は嘆かわしい限りです。被害を受けている子どもへ手を差し伸べる環境が必要です。(弊社代表コメント)
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